常陸牛とナシ「恵水」PR 9日からフェア 新作メニュー開発 茨城県と飲食店連携

常陸牛と恵水を使って県内10店舗が開発した新作メニュー=水戸市笠原町

茨城県の委託を受けた飲食店10店舗が、県銘柄牛「常陸牛」とナシ「恵水」を使った新作メニューを開発した。流通量の限られる恵水は、県内での認知度向上が大きな課題となっている。恵水の魅力を消費者に広めようと、県は9~23日に「メニューフェア」を開き、常陸牛と組み合わせた料理を参加店10店で提供する。

恵水は2016年に出荷を開始。昨年度、首都圏などに約65トンを出荷した。果実は1個約600グラム、糖度は13%前後と甘みが強く酸味が少ないのが特長だ。果実店の評価も高い。

一方、20年度の品種別での恵水の作付面積は4%にとどまっており、県内を含めて消費者の認知度向上が求められている。

県は恵水と常陸牛のほか、県銘柄豚「常陸の輝き」、メロン「イバラキング」、生産量日本一の栗の計5品目を、茨城県産農産物のブランド化に向けた重点品目と位置付けている。フェアでは、魅力ある料理の提供を通して、5品目を消費者にPRしていく。今回は、比較的認知度の高い常陸牛と組み合わせ、旬の恵水をアピールする。

フェアに先立ち、試食会が4日、水戸市笠原町のレストランで開かれた。県内7店が、常陸牛の部位「イチボ」を使ったローストビーフに恵水のマリネを合わせた料理、恵水の薬膳スープなど計13品を披露した。

恵水を生産する県梨組合連合会の草間勝美会長(71)は「おいしい。見た目では恵水と分からない料理でも、甘みがしっかり引き出されている」と深く感心していた。

同市笠原町のフランス料理店「COLK」のシェフ、加藤大恭さん(33)は「出来栄えは100点満点。狙い通りの味を引き出せた。見た目や食感、素材のさまざまな味と旬の恵水を楽しんでほしい」と話した。

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