陶冬氏「上海は香港超えられない」

「中国マクロ経済と大湾区融合フォーラム2023」に出席した中国首席エコノミストフォーラムの陶冬・理事は、上海と香港の関係に言及した。9月5日付香港各紙によると、香港と上海は長い間ライバルとみなされてきたが、陶氏は「上海と香港にはそれぞれ独自の利点があり、中国の世界に対する金融の窓口としての位置付けで上海が香港を超えることはできない」と率直に述べた。ただし香港が金融センターとしての地位を維持するには、物流、人、資金の総合的な流れを実現するために粤港澳大湾区と一体化する必要があり、併せて独自のシステムを維持しなければならないと指摘した。陶氏は中国の経済成長については慎重ながらも楽観していると述べたが、今回の刺激策は経済全体を上向かせるのにつながっていないとみる。この背景として民間企業の投資に対する信頼感の欠如で不動産価格が下落していること、消費者が資産運用を危険な行為だと感じていること、みんなお金を借りたがらず「住宅ローンを返済するために行列をつくる」現象も見られていることを挙げた。

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