サンマは「高級魚で手が出しづらい」漁獲量は15年間で約8割減 仕入れ値は5倍…一方 キノコは“物価の優等生”

厳しい残暑が続いていますが、食材などからは秋を感じられる季節となりました。秋の味覚の代表格・サンマはこのところ不漁が続き、いまや高級魚となっています。一方で、お買い得に秋を感じられる食材もあります。

【写真を見る】サンマは「高級魚で手が出しづらい」漁獲量は15年間で約8割減 仕入れ値は5倍…一方 キノコは“物価の優等生”

静岡市葵区で魚料理などが楽しめる「魚膳」では毎年、9月頃になると「サンマの塩焼き定食」を提供していましたが今年は…

<魚膳 伊妻好文さん>
Q.一尾、いくら?
「きょうは、500円」
Q.500円…結構高いんじゃないでしょうか?
「かなり高い方ですね。サイズ的には、一番大きいサイズを選んでいるので、もっと小さければ、3分の1、4分の1の値段で買える」

10年前は、1尾100円から150円で仕入れていたサンマですが、不漁が続き、仕入れ値が約5倍に。定番のメニューに入れるには厳しい状況です。

<魚膳 伊妻好文さん>
「高級魚ですよね。ちょっと手が出しづらい魚になっている」
Q.それでも提供したい?
「お客さんあっての店なので、お客さんが喜んでくれるのであれば、何とか頑張りたい」

サンマは記録的な不漁が続いています。全国のサンマの漁獲量は、2008年に年間34万トン以上ありましたが、2022年、約1万8000トンで過去最低を更新。15年間で約8割減少しています。

<鮮魚 日の出 川瀬真吾社長>
Q.サンマが並んでいる
「新サンマになります。きのう獲れたサンマです」

静岡市葵区の鮮魚店です。不漁が続く「サンマ」ですが、サイズにもバラつきがあります。

<鮮魚 日の出 川瀬真吾社長>
Q.サイズが違いますね?
「パっと見てもらっても、結構違うと思います。脂のノリも大きい方がさんまはおいしい」

いまのところ、量も少なく大きさや質もまばらなサンマ。ただ、9月15日以降、ロシア海域が解禁となり価格は落ち着く見込みだといいます。

<鮮魚 日の出 川瀬真吾社長>
「これよりデカくて、1本400円から500円くらいになると思う。このサイズが250円、300円くらいになる」
Q.今後は価格は落ち着く?
「その時に食べましょう」

一方で、お得な秋の味覚も。

<安い八百屋いろいろ練習中 本店 今堀和哉店長>
「キノコ類は、比較的安定した値段になっている」
Q.キノコが狙い目ですか?
「キノコに関しては、他の野菜と違って、ほとんどが屋内で、生産しているので、今年の雨が少ないとか、気温が高い影響を受けにく野菜」
Q.価格も安定している?
「そうですね」

低カロリーで、食物繊維が豊富、さらには美肌効果も期待されるキノコ類。猛暑などによって、他の野菜の価格は高騰している中、家計に優しい食材として重宝されています。

<安い八百屋いろいろ練習中 本店 今堀和哉店長>
「いろいろ高いなかで助かっています」
Q.新しい家計の味方、物価の優等生ですね?
「本当に、優等生かもしれないですね、新しいね」

安い八百屋いろいろ練習中 本店の今堀和哉店長によりますと、秋の味覚としてお得なのは、ほかに野菜はサツマイモで、今後、量も質も価格も期待できるということです。

また、2023年は、記録的豪雨や猛暑などで本来のサイズに成長しなかった野菜が市場に多く出回っていて、価格が抑えられていることから狙い目だということです。

© 静岡放送株式会社