前年はヒョンデが1-2-3「再現できるよう願っている」とヌービル/2023年WRC第10戦ギリシャ 事前コメント

9月7日(木)から10日(日)にかけて、中央ギリシャのラミアを中心にWRC世界ラリー選手権第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』が開催される。かつて“カーブレイカー・ラリー”の名で呼ばれたラリーの特性は現在も健在で、『サファリ・ラリー・ケニア』と並んでWRCのシーズン中もっとも過酷なラリーのひとつとなっている。そんなアクロポリス・ラリーでの戦いを直前に控えた各チームからドライバーコメントが届いている。

■Mスポーツ・フォードWRT

●オット・タナク(#8 フォード・プーマ・ラリー1)

「数週間トレーニングを休んで、残り4回のラリーに向けてフレッシュな気持ちで臨むのはいいものだ。ギリシャは僕たちにとってもマシンにとっても厳しいだろうが、そこでプッシュするのを楽しみにしている。今年を素晴らしい感動とともにフィニッシュするために全力を尽くすよ!」

●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)

「ギリシャでは、昨年の2022年にラリーをリードして初のステージ優勝を飾ったから、そこへ戻るのは素晴らしい気分だ。僕たちにとって素晴らしい記念になったし、本当に力強いイベントだった」

「だから今回も同じことをして表彰台に上がることを願っている! それにテストでの走行中のフィーリングはとても良かったかんだ」

●ジョルダン・セルデリディス(#9 フォード・プーマ・ラリー1)

「僕のホームのWRCイベントには大勢のギリシャ人ファンが来るし、プーマのシートに座るのが待ちきれないよ! イベントが要求するレベルに達するよう努力していくつもりだ」

「このイベントに向けて誰よりも万端の準備ができたと思っている。だから好結果を出してグリークカップで優勝を争うことにそれなりの自信がある。ラリー2には何人か非常に優れたギリシャ人ドライバーがいるとしてもね!」

ピエール-ルイ・ルーベ/ニコラス・ギルソウル組(フォード・プーマ・ラリー1)

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)

「アクロポリス・ラリーは、WRCカレンダーのなかでも難しいイベントのひとつだと考えている。これは3つの異なるエリアで、3つのタイプのステージで行われる、3日間にわたるちょっとした耐久レースのようなものだ」

「すべてのステージでコンディションは荒れているし、気温も高い。信頼性のある力強いマシンと、すべての難所に向けた適切なセットアップが必要だ。どんな状況でも走行中に落ち着いていられれば、速さを出すのは簡単になる。昨年、僕たちはライバルたちよりはるかに速かったから、ワン・ツー・スリーを独占できた。チーム全体、ブランド、そして僕たちドライバーにとって最高の成果だった」

「ヒョンデ・モータースポーツで初めて1位から3位までを占めたのは、素晴らしい気分だった。もう一度再現できるよう願っているよ」

●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)

「サファリ・ラリー・ケニアの後では、アクロポリス・ラリーがシーズンでもっとも過酷なイベントだ。近年は道路の補修が多く行われたので、路面に関しては以前ほど過酷ではなかった。とはいえ、すごくタフか、すごく暑いか、時にはその両方なので、そういう面で独特なラリーなんだ」

「タイヤとブレーキにとても厳しいし、ドライバーにも大きな負荷かかるから、水分補給を続けなければならない。トラブルを避けて、つねに最大のグリップを得られるようにクリーンなライン上を走り続ける必要がある」

「ここでの目標は表彰台に上がることだ。日曜日にそこに居たいから僕たちはそれを目指してプッシュするよ」

●ダニ・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)

「アクロポリス・ラリーは本当に過酷で、こうしたグラベルラリーのなかではより代表的なラリーになりつつある。全体的にグリップがかなり高い。路面がタイヤに対してかなり固いからだ。ギリシャでは路面や石を考慮して、他のイベントよりも車高を少し高くするのが普通だ。大きな変化ではないけれど、多少はマシンを守ることができる」

「暑い天候になると予想しているけれど、これもさらなる課題になるだろう。それでも、特別な準備はしていない。ただ少し大目に水分を摂って戦い続ける必要があるだけだ。昨シーズンのようにまたワン・ツー・スリー・フィニッシュができたら素晴らしいだろうね。でも僕たちの目標は、マシンのパフォーマンスを最大限に引き出し、クリーンな走行をして、できる限り多くのポイントを獲得することにある」

2022年のアクロポリス・ラリー・ギリシャではヒョンデ・シェル・モビスWRTがチーム初のワン・ツー・スリー・フィニッシュを達成した

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「ラリー・フィンランドの後、ギリシャに臨む前に少し休みを取ることができて良かった。伝統的なイベントであるアクロポリスでは、過去2年間山あり谷ありだった。2021年に初めて優勝した時は本当に良かったですし、昨年はタフな週末になってしまった」

「今回もまた出走順一番手で金曜日のステージを走ることになるので、簡単には行かないと思うが、チームと一緒になって、このようなコンディションに対応できるように改善を続けてきたので、多くのポイントを獲得できるようにベストを尽くして戦うつもりだ」

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「(前戦の)フィンランドで優勝することができたのは良かったが、ギリシャはまったく違うラリーだ。エストニアとフィンランドのスムーズでハイスピードな道とは対照的に、アクロポリスは一年でもっともラフなグラベルイベントのひとつだからね。そのため、クルマのセットアップに関しても大きく異なり、今年前半に出場した他のラリーに近いものが求められる」

「過去2年間、ギリシャではあまり運に恵まれず、もし今年路面がドライだったら、金曜日に出走順2番手で走るのはきっと大変だと思う。だけど、自分としてはいつものようにベストな仕事をするだけだ」

●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「いい夏休みを過ごしてきましたが、トヨタGRヤリス・ラリー1とともにギリシャで戦いに復帰することに興奮している。ギリシャという国もラリーもとても好きだが、残念ながら僕のキャリアの大部分において、このラリーはWRCの年間カレンダーに含まれていなかった」

「しかし、WRCの一戦に復帰してくれたことで、このラリーでいい戦いをしたいというモチベーションが高まっている。過去に一度優勝しているし、いつもと同じように今回もまた優勝を目指して戦うよ」

「通常この種のグラベルラリーでは、ドライコンディションであれば僕の出走順は助けになってくれるはずだが、2年前はウエットでマディなラリーになったので、どうなるか様子を見たいと思う。このようなラリーでは、もちろん速さは必要だが、トラブルなく走り切る必要になる。路面は岩だらけで、タイヤにもクルマにも厳しいラリーなんだ」

事前テストを行うトヨタGRヤリス・ラリー1(TOYOTA GAZOO Racing WRT)

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