国体九州ブロック ホッケー成年女子 「ホッケーの町・玖珠」、国体出場への思いは増すばかり 【大分県】

ホッケーの成年女子は国体九州ブロックで決勝に進出したが、佐賀に0-4で敗れた。準決勝で福岡を相手に60分で決着がつかず、サッカーのPK戦にあたるシュートアウト戦までもつれる激戦を制した勢いはあったが、国体出場権獲得には一歩及ばなかった。

県代表はクラブチームの「GREENDeers」に大学生を加えたチームだが、そのほとんどが旧森高校を含む玖珠美山高校のOGで構成されている。今大会は地元開催だったことから、1年前から強化を図り、準備してきた。選手兼監督の石井幸美は「『地元に恩返し』を合言葉に、全員が高いモチベーションで練習してきただけに歯がゆい」と悔しさを隠さなかった。

準決勝はシュートアウト戦を制した

年齢も違えば、職業も異なる。週3〜4回の練習時間を確保するのは難しかったが、「ホッケーの町・玖珠」を盛り上げたい思いでチームが一丸となった。キャプテンの江藤未夢は母校の玖珠美山で外部コーチをしながら、選手としてプレーする。「子育てをしながら練習に参加する選手も多いが、家族や職場など周りが協力してくれるおかげ。支えてくれる方々への感謝の思いや、『チームのために』という思いが強いから、最後まで走り切れるチームになったんだと思う」

底なしに明るい江藤を中心に、チームは笑顔が絶えず、大好きなホッケーを楽しもうという雰囲気がある。また、慣れ親しんだ「玖珠美山スタイル」の戦い方にすることで、世代を問わず戦術が浸透している。石井は「ポジショニングに気を配り、後方から組織的にボールを運ぶ戦い方がチームのフレームとなるのは強み」と話す。

ホッケーの国体出場枠は、九州で1チームという狭き門。来年以降も厳しい戦いを強いられるが、江藤は「今大会でもボール支配率を高めて攻めることはできた。あとはチャンスを決め切る決定力を高めたい」と来年の国体九州ブロックに向けて課題を挙げた。ホッケーの町・玖珠の戦いはこれからも続く。

攻撃の軸としてチームを引っ張る江藤未夢

(柚野真也)

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