日常生活に使える伝統産業品コーナーを新設 京都・左京の京都伝統産業ミュージアム

漆を活用した木製サーフボード。伝統産業品の展示・販売コーナーに並ぶ予定=京都市提供

 京都市は9月1日から、京都伝統産業ミュージアム(左京区)の機能を強化している。同日から新たに徴収する観覧料を財源に、日常生活に使える伝統産業品の展示・販売コーナーを新設するほか、土日祝日に実施していた職人の実演を平日にも拡大する。

 みやこめっせ地下1階にある同ミュージアムは1996年に開業し、西陣織や京焼・清水焼など伝統産業品74品目の展示や販売を行っている。9月からの有料化を機に、展示内容などを充実させることにした。

 常設展示場に現代の生活様式に合った伝統産業品の展示・販売コーナーを新たに設ける。漆を活用した木製サーフボードや京表具の技術を生かしたランプシェード、フレームに漆芸を施した自転車などが並ぶ予定で、売り上げを職人の収入とすることで伝統産業の振興を後押しする。

 西陣織の機織りや金箔(ぱく)押しなどの実演は現在土日祝日に開催しているが、これを原則毎日実施するほか、1日1回絵付けなどの工芸体験(有料)ができるブースを設置する。伝統産業品の解説動画を視聴できるタブレット端末の貸し出しや、スタッフによる館内案内ツアーも新たに始める。

 また、9月中は「ウエルカムフェア」として、来館者に併設のショップで利用できる500円割引券(千円以上の買い物に限る)を配る。

 観覧料は一般500円、高校生以下400円。市内在住の高校生以下と70歳以上、障害者手帳持参者、和装で来館した人は無料。

京表具の技術を生かしたランプシェード=京都市提供

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