市民の自宅に眠っていた資料から番組小の歩みをたどる企画展が、京都市下京区の市学校歴史博物館で開かれている。日本初の学区制小学校として1869(明治2)年に開設され、地域との深いつながりの中で運営された学校の歴史を振り返る。
同館は1998年、元開智小校舎を改修して開館した。開館25周年を記念した今回の企画展は、近年市民から提供された教材やノート、日記、写真など、約110点を並べる。
会場では、政治の主導権が東京に移り混迷を極めた明治初期の京都で、番組小が自治活動の拠点として機能したことを紹介。校章があしらわれた学校オリジナルの教材や賞状、太平洋戦争中の日記など、番組小をルーツに持つ小学校の各時代の日常を伝える資料も並ぶ。
旧番組小は、閉校して学びやとしての役割を終えた今も、校舎の建築的価値が認められ商業施設やホテルにも活用されている。林潤平学芸員は「番組小は歴史のトピックスだが、実は個人や市の在り方を考えるヒントが詰まっている」と話す。
9月10日まで。午前9時~午後5時。水曜休館。有料。