「埼玉でも大量殺人するつもりだった」青葉真司被告、秋葉原無差別殺傷事件と重ね合わせる供述も

青葉真司被告(2020年5月27日撮影)

 36人が死亡、32人が重軽傷を負った京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第2回公判が6日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で始まった。午前の審理で、検察側が読み上げた証拠書面から、青葉被告が「社会にしがらみがあり、秋葉原の犯人と同じ心境だ」と述べ、家族に対してガソリンをまいて火を付け、殺害しようと考えていたことが明らかになった。その後も無差別大量殺人を企てるなど、繰り返し殺意が沸き上がる青葉被告の心境の一端が明らかになった。

 証拠書面によると、青葉被告は2012年6月、茨城県内のコンビニに押し入り、約2万円を奪う強盗事件を起こした。自首した後の取り調べに対して、「むかついて、いらいらしていた」と説明した上で、「社会のしがらみがあり、秋葉原の無差別殺傷事件の犯人と同じ心境だ」と述べたという。また、仕事が長続きせず職を転々とした過去を踏まえ、母と兄に対して「ガソリンをまいて殺してやろうと思っていた」との趣旨の供述もしたという。

 京アニ事件を起こす1カ月前の2019年6月18日には、埼玉県内のホームセンターで包丁6本を購入。その後、さいたま市の大宮駅前で「大量殺人をするつもりだった」が、あきらめたという。

 起訴状によると、青葉被告は2019年7月18日午前10時半ごろ、京都市伏見区の京アニ第1スタジオに正面玄関から侵入し、ガソリンを社員に浴びせてライターで火を付けて建物を全焼させ、屋内にいた社員70人のうち36人を殺害、32人に重軽傷を負わせた、などとしている。

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