「思い切り同じ危険なことをやっていた」 農作業中の事故死は年間242人 リスクは建設業の1.8倍に上る 農家がVR動画で体験

まもなく秋の収穫シーズンを迎えますが、実は農作業は、死亡事故のリスクが建設業の1.8倍もあるんです。

農作業に潜むリスクをVR動画で農家に体験してもらうことで事故を防ぐ取り組みが始まっています。

6日、愛媛県松前町で農家を対象に開かれた講習会。登場したのは、JA共済連が開発した「農作業事故体験VR」です。

専用ゴーグルをかけると8つの事故を疑似体験できます。

コメ農家を営む女性は、コンバインを使った脱穀作業中の事故を体験。

(動画)
「手袋が引っ掛かり巻き込まれ事故が起きてしまいました」

(コメ農家)
「あり得ることですね現実に。きのう稲刈りしたばかりなので、ものすごくリアル。早く済ませようと思って(稲を)大束で入れていたが、今後もっと気を付けようと思った」

別の女性が体験したのは、脚立を使った果物の摘み取り作業。

(動画)
「脚立の天板に乗ること、またがることは禁止です」

(かんきつ農家)
「普段使っているものなので、思い切り同じ危険なことをやっていたので、いけないんだなと気付きました」

農水省によりますと2021年、全国で農作業中の事故で亡くなった人は242人に上っています。

就業者10万人あたりでは10.5人と、建設業のおよそ1.8倍、全産業平均のおよそ8倍に上っています。

県内では例年、ミカンの収穫期に事故が急増するということで、JA共済連は、様々な研修の場でこのVRを活用してもらい、事故防止につなげたい考えです。

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