第49回「レズ風俗キャストから見た『老舗店』のメリット/往復書簡②」

“告白される率ナンバー1”キャストという異名までついていた、あいなさんがレズっ娘グループに外部カウンセラーとして戻ってきました! https://lesbian.tokyo/system/system.php?cd=00365 往復書簡でのお話、第二弾です。 ①帰ってきた、伝説のレズ風俗キャスト

ゆう→あいな

あいなさん──当時はあいなちゃんと呼んでいましたね(笑)。いただいたお返事、すぐそばで声を聞いているような気持ちで読みました。 私の知らなかったことをこうして教えてもらうと、やっぱりキャストには別の顔があって、夢や目標などがんばることのために一生懸命働いている人が多いのだなぁと感じました。 応募より面接がドキドキ、同感です! 面接ってそういうものかもしれませんが、レズっ娘グループのは特に緊張しましたね。 いまだから言える、大変だったことかぁ。 自分自身のキャパシティを越えてしまったとき、ですかね。がんばりすぎて疲れを隠しきれなくて、ついつい漏れ出てしまうときもありました。 精神的に追いやられた~~~~! というときは、ガタっときて身体が壊れるんです。シフトを詰めすぎたり、自分の身体を軽視してしまったときに、そうなります。 この時間は、お客様ひとりひとりが私のために作ってくれたものなのだと思うと、期待されている以上に応えたい、ってなるじゃないですか。それをやりすぎてしまうことがあって、結果、自分のキャパを無視することに。 まだまだ経験が浅かった時期には、このバランスを保つのが大変でした。 次に、長くつづけたからこそわかる魅力、ですね。 それは、「長くつづけられた」という事実そのものにあるんだろうなと思います。ひとつのことに長くつき合うことって、簡単ではありませんよね。でもこのお仕事なら私はつづけられるんだ、と気づかせてもらえました。 やりがいがあって、努力すればしたぶんの成果がちゃんと返ってくる。 本来の夢や希望を持ったまま、つづけられる。 さらに、こんなに長くいても必要としてもらえるんだ、というのも大きいです。 お店の方針があって、それに真面目に取り組むキャストとスタッフがいる。何かあればすぐに意見交換をして、全員が納得できる形で進める。そういった連携プレーができているところが、このグループの魅力になっているはず。 お客様はそうした空気を自然と察知し、理解したうえで利用してくれている。 これって、ほんまにすごいことですよね! 完ぺきとは言えないながらも、少しづつ積み上げてきた結果、いまがあるんだと思います。まさに桃栗三年柿八年。 レズっ娘グループは、いまとなっては老舗です。老舗のよさというのは、経験とノウハウに基づいたいろんな情報を持っているところにあるのでしょう。 さて、私からあいなさんに聞きたいこと、まだまだあります。 あいなさんがお客様といるとき、「これだけは心がけていた」ってことってありますか? この仕事に興味がある、これから働きたいと思っている方たちに伝えられる、あいなさんなりの秘訣のようなこと、もしあればちょっとだけでも教えてください!

あいな→ゆう

ゆうさんありがとうございます。 ゆうさんのお返事に、うんうんってめちゃくちゃうなずいてます。一つひとつに共感! 心と身体のバランスはほんとに大事ですよね。私も現役のとき、倒れてしまったことがありました。 ゆうさんの感じておられる魅力、とっても素敵ですね。 きっとこのお仕事って、多くの人は長くつづけられるイメージがないと思うんですよね。だけどレズっ娘グループのキャストさんたちは在籍年数が長い! あと、辞めたあともスタッフに転身してかかわりつづけるキャストさんも少なくありません。 ゆうさんは当然ご存知ですが、私もいま、再びグループにかかわらせてもらっています。これもまさに、ゆうさんのおっしゃった連携プレーができていることと、お客様のおかげですよね。 これだけは心がけてたこと──。 相手に寄り添いたい、っていうのはいつでも思っていました。だけど、できた! って思ったことはないです。ずっと悩みながらでした。よく代表の御坊さんに、聴いてもらっていました。 ただ、理想というか、自分がこうありたいっていうのはずっと思っていて。それは、このお仕事って心も身体も相手の深い部分に触れさせてもらうから、いつでも愛をもって、やさしく、誠実でいようと。 私はお店の、いちキャスト。なんだけど、お客様は、私をひとりの女性として大切にしてくださるんですよね。私もお客様だから大事というより、この方と出逢えたご縁に感謝して信頼関係を築いていきたいと思っていました。 答えになってるかな?? このお仕事って、世の中になくてはならないお仕事だって私は思っています。誰にも言えない悩みや、自分でも知らないような自分って、みんな多かれ少なかれあります。だけど、誰だって愛を感じて生きていきたいし、楽しい瞬間が多いほうがうれしい(^^)。 それをお互いにたくさん感じられる場だなぁと思っています。 とはいえ、お客様もキャストも、最初の一歩を踏み出すのってとても勇気がいりますよね。業界自体の知名度だったり老舗の安心感だったりで、はじめてご利用される方のハードルが下がってるのかなとも思いますが……。 ゆうさんが感じておられること、お聞きしたいです。 (……次回に続く)

【ゆう プロフィール】

永田カビ著『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)のモデルになった現役キャストで、2008年から在籍するベテラン中のベテラン。レズっ娘グループ全店の新人講習スタッフを兼任する。https://tiara.ms/cast/cast.php?no=00025

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