電源開発の歴史を体感 黒部宇奈月キャニオンルート、報道陣に公開

黒部宇奈月キャニオンルートの「高熱隧道」などを通る蓄電池機関車

 富山県の黒部峡谷から黒部ダムに至る「黒部宇奈月キャニオンルート」が来年6月末に一般開放されるのを前に6日、報道陣に公開された。硫黄臭が立ちこめる「高熱隧道(ずいどう)」を走る蓄電池機関車や、急傾斜を昇るインクラインなどを乗り継ぎ、黒部川の電源開発の歴史を肌で感じることができる約18キロで、県は北陸新幹線敦賀開業後の県内観光の起爆剤と位置付けている。

 同ルートは、黒部峡谷鉄道の終点・欅平と黒部ダムを結ぶ関西電力の物資輸送路。一般開放により、これまでつながっていなかった立山黒部アルペンルートの周遊ができるようになる。

 報道向けのツアーは国内外への魅力発信につなげようと開かれ、この日は10社の19人が参加。欅平駅から黒部ダムまでを通った。

 一般開放に向け、現場ではトンネルの補強工事や避難通路整備などの安全対策工事が進んでいる。県は初年度の2024年6月30日~11月までで最大8180人の受け入れを見込む。旅行商品は来年1月下旬から販売する予定。

欅平から乗客を乗せる工事用トロッコ電車
見えなくなるほど続くインクラインの軌道
「裏剱」に続くタル沢横坑
移動中、インクラインについて説明をする担当者

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