ポット栽培 ブドウ実った 富山県砺波市の夫婦、園芸経営50年の腕生かす

ブドウをポット(右)で育てる「根域制限栽培」に取り組む松浦さん夫婦

 富山県砺波市東保で鉢花を約50年育ててきた松浦克郎さん(71)と妻の世佳子(よかこ)さん(66)は、ブドウをポットで育てる「根域(こんいき)制限栽培」に取り組んでいる。老後の楽しみとして3年前から挑戦。園芸のノウハウを生かし、通常4、5年かかるブドウを3年目で実らせた。「園芸人生の集大成。新鮮なブドウを味わってほしい」と話している。

 松浦さんは、約50年前に「松浦園芸」を創業。シクラメンやクリスマスローズなどを栽培してきた。息子に経営を任せ、老後の人生を考えたとき、「おいしいブドウを家族にいっぱい食べさせてあげたかった」という昔の記憶を思い出した。鉢花用のハウスの一部を果樹園に転用し、ブドウ作りを始めた。

 園芸の経験を生かそうと、露地栽培ではなく、ブドウの木をポットで育てる「根域制限栽培」を選んだ。ハウス6棟で13品種約50本を栽培。雨の影響を受けにくく、害虫や病気の被害も少ないため、少量の農薬で済む。ポットの様子を見ながら、肥料や水の量をきめ細かく管理している。

 「じいじ」と「ばあば」が作ることから、果樹園を「ガーデンジーバ(ZiVa)」と名付けた。ブドウは松浦園芸の事務所で販売している。松浦さんは「とても喜ばれる。採れたてのブドウを食べてほしい」と話した。

 午前8時から販売。今月中旬まで収穫する予定という。

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