秘伝のみそ、海外向けに販売 湯平の旅館「山城屋」、味やパッケージにこだわり【大分県】

旅館秘伝のみそを海外に向けて販売する旅館山城屋の二宮謙児さん=由布市湯布院町湯平
パッケージにもこだわった「黒でんがく味噌」

 【由布】由布市湯布院町湯平の旅館「山城屋」(二宮謙児代表)は、大女将(おかみ)が50年作り続けた秘伝のみそをベースにした「黒でんがく味噌」を海外で販売する。日本貿易振興機構(ジェトロ)の支援を受け、味やパッケージにこだわった。「みそ調味料の文化を世界に広めたい」と意気込む。

 山城屋は1972年創業で、客室は6部屋ある。大女将の後藤幸子さん(83)が仕込んだみそを使った料理が評判。2年ほど前、秘伝の味を再現した「田楽みそ」「からし酢みそ」「にんにくみそ」を商品化した。ネット通販などで販売している。

 同旅館では新型コロナウイルス禍前、宿泊客の約8割が外国人だったという。海外の人にもみそを味わってほしいと新たに海外向け商品の開発に乗り出した。ジェトロの「パートナーによるハンズオン支援」として海外ビジネスに詳しい専門家のサポートを受けながら取り組んだ。幅広い料理に対応できるよう、従来の田楽みそより甘く、濃い味に仕上げた。アイスクリームにかけるなど、スイーツにも合うという。

 瓶のパッケージは輸送時に破損リスクがあるため、パウチ型に変更。デザインは英語での説明を多くし、調理例や大女将の写真を掲載した。賞味期限も従来の3倍の18カ月に延ばす工夫をした。

 8月から香港、シンガポールで展示販売を始めた。販路開拓のため、海外での商談会にも参加する予定。二宮代表(62)は「各国の料理に合う使い方があるはず。独自のアレンジをして味わってほしい」と話す。自社サイトなどで国内向けにも販売中。税別800円。

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