服選びマイペースに 富山県射水市に県内初の無人古着店、若者に人気

スタッフがいない店内で、買い物を楽しむ客

 コロナ禍で高まった非接触、非対面のニーズを受け県内で無人販売が広がる中、富山県射水市鷲塚(小杉)にある県内初の無人古着店「HySy(ハイシィ)」が若者の人気を集めている。「店員に声をかけられるのが苦手」という人も自分のペースで買い物を楽しめることから、新感覚のアパレル店として好評だ。運営者は「新たな形で若者のファッション文化を盛り上げたい」と話す。

 ハイシィは県道富山高岡線(旧国道8号)沿いで7月にオープン。24時間営業で、Tシャツやジーンズなど1千点弱をそろえる。スタッフのいない店内は軽快な音楽が流れ、客は自由に試着するなどして、お気に入りの品を探す。

 店はファッション好きな射水市在住の20代男性2人が運営する。2021年からインターネットで古着を販売。新たなビジネスの形態を模索する中、古着を無人販売するスタイルが首都圏で広がっていることを知り、導入した。店員に気を使うことなく、実物に触れて品定めできるメリットがあり、代表の一人、高岡雄佑さん(25)は「この形なら誰でも入りやすい」と言う。

 ターゲットは10~20代の若者で、幅広い人が楽しめるよう500~5千円と安価な価格帯に設定。国内外の古着卸業者から商品を仕入れ、年代物の希少品もある。

 客は券売機に代金を入れるか、QRコード決済で購入する。店内には防犯カメラを複数台設置。スタッフが定期的に在庫管理などで店を訪れていることもあり、目立ったトラブルはないという。オープン以降、客は増え、売り上げはインターネット販売時の5倍ほど。「予想以上の反響」と手応えを話す。

 交流サイト(SNS)などで客と情報交換して商品の要望などを聞き、品ぞろえに反映させている。高岡さんは「一期一会の出合いがあるのが古着の面白さ。足を運んでもらいたい」と話している。

店内を紹介する高岡さん。左は防犯カメラの映像を映したモニターや券売機

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