9、10日に佐伯市で4年ぶり「五丁の市」 子どもたちが踊りや太鼓の練習に熱【大分県】

ジョーヤラの踊り手として船上で練習に励む生徒=佐伯市の笹良目港
ジョーヤラの踊り手として船上で練習に励む生徒
太鼓、笛の練習に励む児童、生徒ら

 【佐伯】佐伯市を代表する祭りの一つ、大宮八幡神社(同市戸穴)の秋の大祭「五丁の市」が9、10の両日にある。新型コロナウイルス禍で開催は4年ぶり。地元ではブランクを吹き飛ばそうと、伝統の祭りを支える小中学生らが8月下旬から、ジョーヤラ船の巡航、神幸祭、還幸祭などに向けて、踊り、太鼓、笛の練習に励んでいる。

 豊漁を祈願する名物のジョーヤラ船は「漁あれ」が名前の由来。大入島など佐伯湾の漁師が船を仕立てて同神社に参拝する習慣があったが、戦後に中断。1972年に地区の青年団が市の行事として復活させた。92年から彦陽中の男子生徒が踊り手を受け継ぐ。

 今年は1~3年の15人が参加。連日、汗を流している。3年間の中断で未経験者ばかり。当初は不安もあったが、指導歴31年の高原寿賀義さん(71)、同26年の上杉和宏さん(68)の下でメキメキと上達。「お客さんに見てもらって大丈夫なレベル」(高原さん)に仕上がってきた。3年の宮崎渉輔さん(15)は「自信を持って臨みたい。元気よく、しっかりと踊り切りたい」と張り切っていた。

 笹良目地区では同中、八幡小の児童、生徒らが、獅子の攻撃を跳びはねながらかわして太鼓をたたく勇壮な踊り「とび太鼓」や、はやしを奏でる本太鼓、横笛の練習に励む。秋の訪れを告げる音が地区内に響き渡っている。

 ジョーヤラ船同様にゼロからのスタートだった。それでも「(指導は)祖父から数えて3代目」という岡田誠さん(48)、2代目という久保田晃司さん(42)らが太鼓を、岡田さんの妻美香さん(46)らが笛を熱心に伝授。子どもたちも真面目に練習を繰り返し、「想像以上の上達ぶり」と地元住民も驚くほどに。とび太鼓を担う同中1年の亀井優冴さん(13)、保田南斗さん(13)は「やりたかったこと。難しいが、楽しい。細かなところを修正して臨みたい。本番が楽しみです」と声をそろえた。

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 初日の9日は午前11時にジョーヤラ船が笹良目港を出港し、大入島や葛港などで餅まきをする。午後4時からはみこし、とび太鼓、笛などを披露する神幸祭がある。ステージイベント、お楽しみ抽選会なども。10日は午後1時から神楽、同4時から還幸祭がある。

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