大村の中学制服が統一型へ 長崎県内初、性別問わず着用可 多様性尊重と購入費の格差是正へ

来年度から導入される大村市立中の統一型制服=大村市役所

 長崎県大村市教委は来年度、市立中全6校で統一デザインとなるジェンダーフリー制服を導入する。学校間で異なる制服購入費の格差を是正するとともに、性別の指定をなくすことで生徒の多様性を尊重する狙いだ。制服の統一は県内の市町で初めて。
 市教委によると、現在は6校とも制服のデザインが異なり、平均価格の差が最大約1万円あることが課題となっていた。2021年度から市教委が各校長と意見交換しながら、統一型制服の導入を検討してきた。
 新しい制服は冬服に濃紺のジャケットを採用し、ネクタイやリボンは明るいブルーが特徴。夏服はポロシャツで白か紺を選べる。性別に関係なくズボン、スカートのいずれも着用可能。洗濯機で丸洗いできる。
 デザインについて、市内の児童生徒や保護者らにアンケートをしたところ「着てみたい」「爽やかで大村らしい」などの意見があった。ジャケットには各校のスクールカラーを使ったマークを付ける。色は▽玖島=青▽西大村=赤▽萱瀬=緑▽郡=紫▽大村=オレンジ▽桜が原=ピンク。
 価格は販売店によって異なるが、5万円前後になる見通し。27年度の完全移行を目指し、それまでは新入生であっても、きょうだいのお下がりなど現行の制服を着ることができるという。
 市教委と各校長が5日、市役所で報道陣向けに公開した。遠藤雅己教育長は「多様性に配慮しつつ、全ての生徒が着たいと思えるデザインになった」と語った。同日の市議会全員協議会では、市議から購入補助や現行の制服の下取りなど、移行を助ける措置を求める意見が上がった。

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