佐世保市の観光客4年ぶり増加 2022年、コロナ禍前の7割強 回復へ明るい兆し

佐世保市観光客数の推移

 長崎県佐世保市と佐世保観光コンベンション協会がまとめた2022年の市観光統計によると、観光客数は前年比36.8%増の約430万3千人で、4年ぶりに増加した。新型コロナウイルス禍前の19年比は73.9%。市と同協会は「V字回復とまでは言えないが、観光の本格的な回復に向け明るい兆しが見え始めた」としている。
 コロナの影響で全国的に観光産業が低迷する中、10月に全国旅行支援が始まり、訪日外国人の入国者数上限が撤廃、個人ツアーも解禁された。上半期の行動自粛の傾向が影響する中、後半期を中心に持ち直しの動きが見られた。10月以降はコロナ禍前の水準に戻った。
 宿泊客数は約126万2千人(前年比44%増)で19年比82.3%。うち外国人は約3万1千人(同19.9%増)で、19年比22.4%。修学旅行は訪問先を海外から国内へ振り替える学校が多く、約11万6千人(同60.7%増)で、19年と比べ75.1%増となった。
 全観光客の推定消費額は約610億円(前年比41.2%増)で、19年比70.8%だった。観光施設を訪れた客の集計では、ハウステンボスをトップに九十九島パールシーリゾート、西海橋の順だった。
 市観光課は「コロナによる行動制限がなくなり、イベントも拡大。クルーズ船を含め全国でインバウンド(訪日客)の動きも活発になってきた。佐世保への誘致に向け、情報発信に努めたい」としている。

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