長崎・島原の「水脈 mio」 土地の文化を捉えた最新ホテル16選に 湧水流れる町屋を改装

湧水が流れるカフェスペースで専門誌を手にする南里支配人=島原市、「水脈 mio」

 湧水が屋内外を流れる長崎県島原市万町の町家を改装し、3月に開業したワーケーション対応滞在型施設「水脈(みお) mio」が、商店建築社(東京)が刊行するストアデザイン専門誌「商店建築」8月号で「土地の文化を捉えた最新ホテル16選」に選出された。
 mioは1848年築の旧商家で、木造2階建て(延べ床面積約370平方メートル)。湧水庭園に面した1階客室「霞(かすみ)」(約42平方メートル)と2階客室「雫(しずく)」(約44平方メートル)があり、いずれも定員4人。素泊まりの場合は、1人2万2千円から宿泊できる。
 カフェを併設。島原の湧水でハンドドリップしたコーヒーなどを味わえる。コワーキングスペースもあり、観光客やビジネス客が利用するだけでなく、街づくりの会議やライブなども開かれている。
 同誌編集部は「敷地に水脈が流れるという固有の条件をメインテーマに据えることで、宿泊体験そのものが島原という土地を体験することになっている」と評価。「カフェなどが併設されていることで、宿泊客以外の方も街と関われる点も意義深い」としている。
 mioの南里史帆支配人(27)は「全国の建築デザインに携わる方々の目に触れることとなり、大変光栄。湧水や古材など残すべきは残しつつ、快適に過ごせるよう工夫を凝らした」とコメント。ホテルの稼働率は採算ラインを上回って推移しているという。
 5日から1泊した長崎市在住のハウスメーカー役員の女性は取材に「先週、カフェに入って泊まってみたいと思った。湧水が流れる、このような宿は全国で他にないのではないか」と話した。

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