八戸フォーラム(青森県)解散 株主総会で決定 映画館再出店は未定

 1月に閉館した青森県八戸市の映画館・フォーラム八戸の運営会社である八戸フォーラム(長澤裕二代表)は6日夜、同市内で定時株主総会を開き、同社の解散を決めた。映画館再出店に向けた可能性の模索は続けるが、資金的なめどは立っておらず、会社として区切りをつけた。12月ごろまで清算手続きを進める予定。

 フォーラム八戸は、入居していた商業ビル・チーノはちのへ一帯での再開発計画に伴い、1月5日に閉館。八戸フォーラムはこれまで再出店に向けて移転先候補の検討を続けてきた一方、建築費高騰のあおりを受けて具体的な事業計画を立てられずにいる。法人としての収入はないものの、借入金は金融機関に返済し、債権と債務は整理した。

 八戸フォーラムによると、株主総会には約80人(委任状含む)が出席し、ほとんどが解散に賛成した。「解散は仕方ない」との声が多かったという。今後、残余財産を株式の持ち分の割合に応じて株主に分配する。

 長澤代表は取材に対し「何とか再出店したい気持ちはあるが、独力では厳しい」と歯がゆい思いを吐露。長澤純専務は「映画ビジネス自体はコロナ禍から回復してきているが、現状では再出店はコストに見合わない」と話した。

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