36人が死亡、32人が重軽傷を負った京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第3回公判が7日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で始まった。初の被告人質問があり、犯行時に重度のやけどを負った青葉被告が、現在の健康状態を自ら説明した。
青葉被告は車いすに座り、証言台の前で質問に答えた。意思疎通に支障はなく、ややくぐもってはいるが、聞き取りやすい声で応答した。
視力について、青葉被告は「2年前に簡易的な検査を受けまして、左が0.4、右が0.02です」と答えた。弁護士が「かなり悪いですね」と問うと、「ごめんなさい」と答え、弁護士から「謝ることではありません」と言われる一幕があった。
この後、左右の腕が上がることを確認した。「はしやスプーンを使って物をつかめるか」と聞かれ、「はい」と答えた。だが「重量のあるものは」と聞かれると、「難しいかもしれない」と答えた。
自分で歩けるかを問われ、「できないと思う」。さらに、ベッドに自力で移れるかを問われると、「スタッフに準備してもらえればできる」と返答した。
続いて、やけどの影響について質問があった。
弁護士「あなたはやけどをしたが、汗をかきますか」
被告「汗腺をほとんど取っ払っているので、頭と胸以外は汗をかけないと聞いている」
弁護士「部屋でエアコンをつけることもあると思うが、温度は分かりやすいか」
被告「汗腺と同じで痛覚も取っ払っているので温度も感じにくい」
とのやりとりがあり、青葉被告は、自分の体温上昇については「少しなら感じられる」と述べた。