高校最後の夏、インターハイ出場ならず奮起 近畿陸上選手権 女子100mで兵庫高校新樹立の西藤(滝川第二)

近畿選手権で女子100メートルの兵庫高校新記録を樹立した滝川第二高の西藤杏純=加古川運動公園陸上競技場

 2日に兵庫県加古川市の加古川運動公園陸上競技場であった陸上の近畿選手権で、滝川第二高3年の西藤杏純(あずみ)が女子100メートルの兵庫高校新記録を樹立した。「自分の走りがうまくはまった」。歓喜の裏には、この夏味わった人一倍の悔しさがあった。

 1年時から全国総体に出場し、昨夏は準決勝を経験した実力者。今年は悲願の決勝進出を目指したが、6月の近畿地区予選会直前に体調を崩して個人種目での全国行きはかなわず。8位に終わった予選会のレース後、トラックの隅で涙が止まらなかった。

 「悔しかった思いを全てぶつけた」という近畿選手権決勝。会心の走りで従来の大会記録を上回り、2位に入った。11秒71。4年ぶりに兵庫高校記録を0.01秒塗り替え、自己記録を0.09秒更新した。

 無駄のない滑らかな走りは、県内屈指の強豪校で男子選手と競る練習を重ねた成果だ。7月には同高の後輩、年綱晃広が男子100メートルの兵庫高校記録を26年ぶりに塗り替え「次は自分が、と刺激を受けた」と西藤。卒業後も大学で競技を続ける予定で、「さらに自己記録更新を」と力を込めた。(長江優咲)

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