【MLB】プレーオフ進出へ!Dバックスの超有望株がMLB昇格へ

写真:コービン・キャロルに続く超有望株が昇格するDバックス

プレーオフ進出を目指すダイヤモンドバックスがついに切り札を切った。

Dバックスは明日からのカブス戦に向けて、チーム1位の有望株ジョーダン・ロウラーを昇格させることを決めたようだ。地方紙アリゾナ・リパブリックの番記者ニック・ピーコロ氏ら複数のメディアが報じた。

ロウラーは現在AAA級リノでプレーする21歳の遊撃手。MLB公式のプロスペクトランキングでは10位にランクインする超有望株だ。今季はAA級とAAA級で合わせて105試合に出場し、417打席で本塁打20本、OPS.874をマークしている。また、36盗塁を決めるなど走塁の面でも高い能力を持っている。

MLB公式のレポーターであるヘスス・カノー記者によれば、Dバックスのトーリ・ロブロ監督はロウラーを状況に応じて遊撃手として先発起用する方針だと語っていたようだ。

今季のDバックスの躍進は、若手野手の台頭を抜きにして語れない。現在主に遊撃を守るヘラルド・ペルドモや正捕手のガブリエル・モレノ、外野のコービン・キャロルはいずれも20代前半。特にキャロルの活躍はめざましく、すでに新人としてはもちろん、野手全体として見てもリーグトップクラスのはたらきを見せている。センターラインを固める若手が大きな貢献を残すことで、チームは大きく負け越した昨季から一転、プレーオフ争いに参戦することができているのだ。

一方で三塁のレギュラー不在は野手の中では大きな課題となっていた。今季はエマニュエル・リベラやジョシュ・ロハス(現マリナーズ)、バディ・ケネディら複数の選手が起用されながらも決め手を欠いた。ベテランのエバン・ロンゴリアは一定の成績を残しているものの故障がちで、フル稼働することは難しい。プレーオフ進出に向けて、不安要素の一つとなっていた。

もしロウラーが遊撃で期待通りの活躍を見せることができれば、遊撃のペルドモが三塁に回ることで三塁手問題は解決する。打撃面はもちろんのこと、守備に定評があるペルドモが流動的に起用できるようになることで、ただでさえ高かったチームの守備力はさらに向上することだろう。

一方、懸念材料となるのはDバックスのマイナー組織が極端な打者有利であることだ。たとえばAAA級のリノはチームOPSが.872。AA級のアマリロもチームOPSが.818と非常に高い。ロウラー以上の打撃成績を残していても、MLBでは結果を残せないという打者は少なくない。その点を考えると、ロウラーが期待されたような働きを残せるかには不安が残るところだ。

Dバックスは9月に入り、盛んにロースターの入れ替えを行いチーム力の強化を進めている。2021年には110敗を喫するなどどん底を味わったチームは、今や大きく変貌を遂げた。2017年以来、6年ぶりのプレーオフ進出をつかむことはできるだろうか。

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