給食が突然停止…県教委 食堂運営会社との契約を解除 広島

寮の食事などが突然停止した問題です。県教育委員会は6校が委託していた食堂運営会社ホーユーとの契約を解除しました。

食堂運営会社ホーユーが食事の提供を停止した影響はいまだ終わりが見えません。4日の朝食から食事がストップしている 油木高校の寮生に向けて福山市に本社を置くスーパーのエブリイから弁当が届けられました。

生徒「本当助かっています。急ですけどいろんな人に助けてもらい助かっている」

寺田琢哉記者「こちら油木高校の寮の厨房です。業者が残した冷蔵庫には食材が今も残されていて、保護者たちからは差し入れが届いているということです」

冷蔵庫と冷凍庫はホーユーが所有しているので残された食材を勝手に使うことはできません。

東広島市の西条農業高校では6日、部活動終わりの生徒らがOBから仕入れた弁当を食べていました。

寮生「野球部が補食で使っていた米を急きょ先生の厚意でこちらに持ってきて炊くようにしている」「もともとある分ではちょっと。みんな結構食べるので

足りない感じになっている」

事態を受けて県教育委員会は6校が委託していたホーユーとの契約を解除しました。ホーユー側からの返答は今のところないということです。

影響は学校だけではありません。

法野未佐記者「こちらの県議会棟にある食堂ですがきのうから営業が停止しているということです」

全国23カ所に営業拠点をもつホーユーは委託されていた約150施設のうち半数ほどで食事の提供を止めることになりました。

なぜこうした事態になったのか。6日夜、山浦社長が事情を説明しました。

「ソフトランディングするため、関係各位と交渉してきたが、かなわなかったので苦渋の決断をした」「食材費や人件費は高騰しているが、業界は非常に安い、ビジネスモデルは崩壊している」

自己破産の手続きを進めているというホーユー。従業員は約500人いますが未払いの給与もあるといいます。これまでホーユーで調理員として働いていた人は…

「7月分が8月末に入る予定が振り込まれていない」「会社がこうなってしまったから社員から『自分で労基に行って手続きをしてください』と話が来ました」

従業員への対応について山浦社長は「政府の未払い賃金立替制度を活用したい」「労働基準監督署などと協議を進めている」と説明しています。

帝国データバンクによりますと、ホーユーの負債額は16億円を超えていてコロナ禍や急激な食材費の高騰などが影響したとみています。

帝国データバンク 広島支店情報部 土川英樹部長「従業員の数が多い企業なので影響度は高いと思う。変化に対応することがなかなかできなかったのでこういう結果になった」

県教育委員会は食材費の高騰分を補助する制度について5月、県内の学校に通知しました。ホーユー以外の業者が入る3校から申請があったため、直接ホーユーに補助金について説明したといいます。

県教委 高校教育指導課 小野裕之課長「7月上旬にホーユーの担当者から「現在の給食費単価で工夫しながら食事提供を継続するので補助申請をしない」と回答があった」

一方、補助金を申請した3校についてはそれぞれの状況に応じた補助額が決定しているそうです。

県教委 高校教育指導課 小野裕之課長「申請があったある学校には半年間で約66万円。申請があった3校とも補助金を出している」

山浦社長は「申請しても一食あたり30円しか高くならない。従業員の手間と時間を考え申請しなかった」と話しています。

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