「次どういう人を選んだらいいのか」有権者も困惑 “無免許運転+虚偽説明”中山真珠静岡県議辞職の意向 各会派「自ら判断したことはよかった」

無免許運転や虚偽の説明が発覚した中山真珠静岡県議(28)が辞職の意向を固めたことを受け、静岡県議会の会派は9月7日、「議会からの辞職勧告決議が出る前に自身で判断したことはよかった」と受け止めています。中山県議の辞職願が正式に届き次第、許可される見通しです。

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<中山真珠静岡県議(28)>
「政治全体に対する不信感を抱かせてしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした」

8月の会見以降、公の場に姿を現さなかった中山県議は9月6日、議長に辞職の意向を伝えたことが分かりました。代理人の弁護士から中山県議の署名が入った辞職願の文面とお詫びの文書が県議会に届いたのです。これに対し、地元の反応は…。

<静岡市民>
「その時の事情があるかもしれないが、見本を見せる立場の人なので、間違ったことはよくない」
「せっかく期待が高かった方なのに、こういったことになり、有権者からすると次の方をどういう人を選んだらいいのかと不安はある」

中山県議をめぐっては、2023年4月の静岡県議選で県政史上最年少で初当選しましたが、8月、運転免許の失効に気づいていながら、無免許運転していたことが発覚しました。また、無免許運転について所属していた会派などに虚偽の説明をしたことも明らかになりました。その後、県議会には「体調不良のため、9月末までの休養が必要」とする診断書が提出されました。

<中沢公彦 静岡県議会議長>
「我々は無免許で運転してしまった行為に対して、公職の立場である県議会議員としていかがなものかということを議論するべき」

中山県議は議長などとの面談を2回キャンセルし、県議会の3つの会派は9月開会する9月定例会に辞職勧告決議案を提出する方針を固めていました。

<請願者>
「よろしくお願いします」

さらに、県民からも中山県議の辞職を求める請願が出されるなど、波紋が広がっていました。そして、9月6日。突如、中山県議から辞職の意向が示されたのです。この状況に県議会の会派は。

<自民改革会議 増田享大代表>
「いろいろ熟慮された結果だと思うので、9月21日の県議会の前にこういう形になったということはいい形になったと思っている」

<公明党県議団 蓮池章平団長>
「政治家の出処進退は自ら決める、これが原則だと思っているので、ご本人が辞職されるという決断をされたのであれば、これについては尊重したいと考えている」

中山県議が所属していたふじのくに県民クラブの田口章会長は「在籍中、適切に指導できなかったことについて会派代表者として反省している」とコメントしています。

今後、中山県議の辞職願が正式に届き次第、許可される見通しです。また、9月定例会での辞職勧告決議案と市民からの請願の審議は、見送られることとなります。

しかし、専門家は一連の経緯をふまえて、中山県議を候補者に選定した政党にも問題があるのではと指摘します。

<静岡大学 井柳美紀教授>
「地元の有権者からすると(中山県議の)情報が少ない中で、候補者を選定する政党の選定のプロセスがどうだったのかは検討の余地がある」

中山県議の辞職後の県議補選は、静岡市清水区の選挙区でさらに欠員が出なければ、2年後の2025年の知事選と同時に行われる見通しです。

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