「電気がなかったら生活できない 早く家に戻れるように」被災者の願いは届くのか…川勝知事が警戒区域解除後 初めて伊豆山地区を視察

住民が望む復興が実現するのは、いつになるのでしょうか。静岡県の川勝平太知事が土石流災害で被災した静岡県熱海市伊豆山地区を9月4日視察し、「被災した人たちの生活復興に全力を投じていきたい」と話しました。

【写真を見る】「電気がなかったら生活できない 早く家に戻れるように」被災者の願いは届くのか…川勝知事が警戒区域解除後 初めて伊豆山地区を視察

4日午後3時、川勝知事が訪れたのは、土石流災害で被災した熱海市の伊豆山地区。9月1日の警戒区域を解除してから初めての訪問です。

川勝知事は、逢初川の拡幅工事や市道の整備のほか、行政代執行で不安定な土砂の撤去が完了した逢初川源頭部や、新たな砂防堰堤なども視察したということです。

<静岡県 川勝平太知事>
「被害に遭われた方には誠に申し訳なく、時間がかかりましたけれども、堰堤を作る、残っている土砂を全部撤去すると。8月末までかかったが、それをしっかり見に来るのが最大の目的でした」

伊豆山地区では、警戒区域の解除から3日目を迎えました。しかしながら、地元住民の姿は、ほとんどありません。なぜ、人が戻っていないのか。生活を続けるには足りないものが、まだあるからです。

<元警戒区域内に住む 小磯和雄さん>
Q.引っ越しが終わったのは?
「昨日です。わたしらが1番ですね。9月1日に解除になって引っ越したのはわたしらだけです」
Q.帰ってきた実感は?
「まだないです。ようやく家に帰ってきて(引っ越しの作業をしたら)ぐっすり朝まで気づきませんでした。起きませんでした」

今回、警戒区域内の自宅に戻った小磯さんは、電気工事が8月中に完了したため引っ越しできたと話します。

<小磯和雄さん>
「電気がなかったら生活できないですね。みなさんも早く家に戻れるように行政の方にもお願いしたいなと思います。整備をね」

警戒区域の解除に向けて行政側はライフラインの復旧を急ぎましたが、まだ完全復旧には至らず再建への道のりは遠いようです。

<静岡県 川勝平太知事>
「できるだけみなさまが早く戻ってこられるように、まずそれが大事。戻りたい人には戻っていただく。こちらが考えている安全とみなさまのお住いの関わりをご説明しながら、ご希望を叶えていくという方向になると思います」

現在、伊豆山地区で避難生活を余儀なくされている人は100世帯180人ですが、9月中に帰還できる人は7世帯13人にとどまっています。

© 静岡放送株式会社