新彗星、市貝の小倉さんが撮影に成功 「観察条件かなり厳しい...すごい」

尾を引く緑色の新彗星「西村彗星」=小倉浩さん提供(14枚を合成)

 栃木県市貝町市塙(いちはな)、歯科医師小倉浩(おぐらひろし)さん(56)が7日未明、約1カ月前に発見されたばかりの新彗星(すいせい)「西村彗星」の撮影に成功した。

 県子ども総合科学館によると、8月13日に静岡県掛川市のアマチュア天文家西村栄男(にしむらひでお)さんが発見した彗星。今月中旬に太陽に接近し、上旬から中旬にかけて明るくなるという。

 小倉さんは午前3時50分ごろ、茂木町九石(さざらし)の鎌倉山で、東の空の低い位置に姿を見せた緑色の彗星を撮影した。「ここ最近、県内は晴れず、諦めかけていた。山頂は濃霧でしたが、霧が晴れた数分の間に撮ることができた。今回を逃すと一生会えないと思っていたので、見ることができて感動した」と喜んでいた。

 同館天文課の担当者は「この彗星は空の低い位置にしか見えないため、観察条件がかなり厳しい。天気の悪い日々が続いていることもあり、県内で撮影できたことは意義があり、すごい」としている。

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