富山県全域でブナ・ミズナラ・コナラ不作 クマ出没に警戒を

 富山県は、今秋に平野部でツキノワグマが出没する可能性が高いとの予測を出した。餌となるミズナラなどが不作のためで、特にブナは県東部で凶作となった。例年は9月以降に出没が急増することから、県民に注意を呼びかける。

 7日の県議会厚生環境委員会で、県森林研究所が8月に行った作柄の調査などに基づき説明。調査ではブナ、ミズナラ、コナラの3種とも県全域で「不作」、ブナは県東部の全8地点で「凶作」だった。県は「山裾の集落周辺や平野部でも警戒する必要がある」としている。

 同様の作柄だった2016年の年間出没件数は300件で、人身被害は3件あった。今年の出没件数は8月末までで152件、人身被害は富山市で1件。

 県は8日、県民会館で野生動物被害防止対策会議を開き、市町村の幹部や担当職員と情報を共有。クマ対策の徹底や県民への注意喚起を求める。

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