「ドジョウ先輩」美白ですくすく 10年前、建設会社社員が水路で捕獲→「入社」し倉庫の水槽へ 兵庫・たつの

2021年に発見された金色のドジョウ=たつの市揖保川町袋尻

 兵庫県たつの市揖保川町袋尻の建設会社倉庫で、薄いピンク色のドジョウがペットとして飼われている。体長3~4センチだった10年前に近所で捕獲し、18センチほどにすくすくと成長した。後から入社した社員には「ひげを生やしたドジョウ先輩」として敬意を払われている。(直江 純)

 姫路市立水族館で淡水魚を担当している竹田正義さんによると、先天的に色素を持たない「アルビノ」のメスという。白い体に血が透けてピンク色に見え、目は白ウサギのように赤い。

 建設会社「日伸」の清名康彦さん(51)らが水路の清掃作業をしている際に見つけて捕まえた。同社は正中(しょうなか)浩子社長(60)を筆頭に生き物好きが多く、金魚を飼っていた倉庫の水槽にドジョウも加えた。

 敷地内では重機の洗浄用に地下水をくみ上げており、水槽の水は小まめに入れ替える。清名さんは通勤に車で約30分かかるが、休みの日もドジョウが気になって倉庫に立ち寄り、餌やりに精を出している。

 竹田さんによると、アルビノは天敵に見つかりやすいため、自然の中では長生きが難しい。飼育下では最大20センチほどになるとみられ、竹田さんは「この個体はよく肥えていますね」と感心していた。

 倉庫は来客も少なく、社員以外の目には触れにくかったが、本紙が2021年9月、同じ袋尻地区で金色のドジョウが発見されたという記事を掲載。社員たちは「うちの方が先なのに」とライバル心を抱き、飼育10周年を迎えた節目を待って記者に連絡した。

 その金色のドジョウもアルビノで、捕獲した山本英雄さんが現在も飼育している。2年間で1センチほど成長して約10センチになった。山本さんは「18センチとはすごいですね」と「ドジョウ先輩」をたたえた。

 日伸では、倉庫に集まる際に「ドジョウ先輩、おはようございます」とあいさつするのが流行中。正中社長は「先輩はピンクで目が赤い分、会社は何とか赤字を出さずに経営できています」と笑った。

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