ドローンの幅広い活用模索 長崎できょうまでサミット 空飛ぶクルマの実機展示やパネル討論も

企業や団体のさまざまな機体が並んだ展示会=長崎市、出島メッセ長崎

 ドローンの社会実装を目指す企業や自治体の連携イベント「第2回ドローンサミット」が7日、長崎市尾上町の出島メッセ長崎で始まった。国と長崎県が主催。産官学の関係者が講演やパネル討論などを通し、観光や防災など幅広い活用について意見を交わす。最新デジタル技術の展示・商談会「ながさきデジタルDEJI-MA産業メッセ2023」と「ながさき半導体産学コネクト」も同時開催し、企業や自治体、大学など82ブースが並んでいる。8日まで。
 
◎「空飛ぶクルマ」に熱視線
 第2回ドローンサミットなど3イベントでは、NHK連続テレビ小説や2025年大阪・関西万博で関心が高まる「空飛ぶクルマ」も紹介された。
 会場ではスタートアップ「テトラ・アビエーション」(東京)が、開発中の空飛ぶクルマを実機展示。30分で100キロを移動する1人乗り機体で現在、福島県や米国で研究や飛行試験を重ねている。新井秀美取締役は「地域の人々にとって、航空機が自動車や鉄道と同じくらい身近になる未来を目指している」と展望を語った。
 空飛ぶクルマをテーマに複数のパネル討論も組まれ、産官学の関係者が社会実装に向けた可能性や課題について議論。慶応義塾大大学院システムデザイン・マネジメント研究科の中本亜紀特任助教は「長崎は気象条件が良く、自治体も意欲的だ。観光や救急医療などの用途で(社会実装の)実現性は高い」と指摘。ニーズを把握するための市場調査やビジネスモデルの検討を今後の課題に挙げた。

来場者の注目を集めた「空飛ぶクルマ」=出島メッセ長崎

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