宮下青森県知事「本県が舞台、残念」 洋上風力汚職、秋本衆院議員逮捕受け

 洋上風力発電事業に絡む汚職事件で秋本真利衆院議員=自民党を離党、比例南関東=が逮捕されたことを受け、宮下宗一郎知事は7日、報道陣に「仮に事実だとすれば前代未聞で論外だ」と述べた。贈収賄を巡る疑惑の一つとして、陸奥湾海域など青森県沖での事業に関する国会質問が取り沙汰されていることに「本県が舞台になっていることも非常に残念」と不快感を示した。

 前社長が贈賄の疑いを持たれている日本風力開発は青森県沖3海域で事業を計画中。そのうち日本海南側はつがる市など地元の利害関係者を交えた法定協議会が合意に達し、促進区域への指定が有力視され、洋上風力の機運が高まっている。

 宮下知事は「事業全体の信頼性が揺らぎ(県内に)影響がないはずがない」と懸念。国に対し「公平性を担保する措置を講じ、県民や地域の理解を得ながら進める環境をつくってほしい」と注文した。

 野辺地、横浜両町沖の陸奥湾海域は、漁業などへの影響を懸念する声が周辺から上がり、協議会を立ち上げる環境が整っていない。野村秀雄野辺地町長は「逮捕によって事業が滞らなければいいが」と言葉少な。石橋勝大横浜町長は「影響されることなく事業が進んでほしい」と述べた。日本風力開発が陸上風力発電を手がけている六ケ所村の戸田衛村長は「新たに立地したい企業が影響を受けないかが心配」と語った。

 同社の東北本社(同村)は、県内各事業への影響について「こちらではお答えできない」とした。

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