KTMのペドロサが3番手のサプライズ。首位のベゼッチは2年ぶりのレコード更新/第12戦サンマリノGP

 9月8日、2023MotoGP第12戦サンマリノGPの金曜日セッションがミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われ、MotoGPクラスはプラクティスでマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)がトップでダイレクト予選Q2進出を決めた。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は20番手となり、予選はQ1からのアタックとなる。

 今大会も第6戦イタリアGPのスプリントレースで右足を骨折したアレックス・リンス(LCRホンダ・カストロール)が欠場。代役は高橋巧が務めることになり、2015年以来のMotoGP出場となった。ミケーレ・ピロ(Aruba.itレーシング)、ステファン・ブラドル(HRCチーム)、ダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)の3人はワイルドカード参戦をしている。

 フリープラクティス1は、気温27度、路面温度34度、晴れのドライコンディションで始まった。フロントタイヤはソフトとミディアムに分かれ、リヤタイヤは全員がミディアムを履いてコースイン。

 序盤はアウグスト・フェルナンデス(GASGASファクトリー・レーシング・テック3)が14コーナーで転倒。ペドロサのマシンからスモークが出ているところが映し出された。そして、ピロがトップで1分32秒405を記録。2番手はマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)の1分32秒537、3番手がペドロサの1分32秒632だ。

 ドゥカティ、アプリリア、KTMが上位につけているが、今回はヤマハ勢もトップ10に入り、フランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が7番手、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が10番手となっている。

 残り約18分時点では、1分32秒250でペドロサがトップに浮上。2番手がピロでテストライダーが躍進。3番手にはベゼッチが上がってきた。

 終盤にはルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が2番手、ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)が1分32秒066でトップタイムを塗り替える。そしてラウル・フェルナンデス(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)が3番手となる。

ミケーレ・ピロ(Aruba.itレーシング)/2023MotoGP第12戦サンマリノGP 初日

 FP1は、前後ともにソフトタイヤでアタックしたドゥカティのテストライダーであるピロが1分31秒909で首位。2番手はマリーニ、3番手はマルティンだった。ヤマハ勢トップはモルビデリの12番手で1分32秒395、ホンダ勢トップはブラドルの16番手で1分32秒538、高橋はトップの105%タイムを超えられず、1分37秒894で順位はつかなかった。

高橋巧(LCRホンダ・カストロール)/2023MotoGP第12戦サンマリノGP 初日

 午後に行われたプラクティスは、予選のQ1、Q2を分ける唯一のセッションで、Q2へのダイレクト進出にはトップ10以内に入る必要がある。

 このセッションも晴れで、気温30度、路面温度44度まで上昇した。多くのライダーがフロントにハードタイヤを履いており、10分が経過すると1分31秒785でベゼッチがトップ、2番手がビニャーレス、3番手がマルティンと続く。ピロは4番手、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が5番手だ。

 20分が経過すると、2度目のアタックが始まりマルティンが1分31秒562でトップタイム。クアルタラロが6番手に浮上すると、ペドロサが4番手。そして、アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)が7番手、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が8番手に上がった。次周にはペドロサが1分31秒526でトップに立つ。

 その後、1分31秒453までタイムを縮めた。残り約20分、マルティンが1分31秒416で首位に立つ。残り12分にはジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が転倒する場面もあった。直後にブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が3番手に浮上。ベゼッチが1分31秒388が首位、ビニャーレスが1分30秒972でオールタイムラップレコードを出した。

ダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)/2023MotoGP第12戦サンマリノGP 初日

 終盤には全員がフロントにハード、リヤにソフトを選択。ポル・エスパルガロ(GASGASファクトリー・レーシング・テック3)、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)が転倒を喫して最後のアタックができなかった。そんななか、ペドロサが2番手、マルク・マルケスが3番手に浮上。ベゼッチが1分30秒846で最速タイムを記録した。

 これによりプラクティスは1番手からベゼッチ、ビニャーレス、ペドロサ、マルティン、マリーニ、マルク・マルケス、バニャイア、アレックス・マルケス、ビンダー、フェルナンデスとなり、Q2のダイレクト進出を果たす。

 ヤマハ勢はクアルタラロが13番手、モルビデリが14番手、高橋は初日の両セッションでトップの105%タイムを更新できなかった。彼はFP2で105%ルールをクリアしないと、予選以降のセッションには参加できない。

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