福島・いわき市に災害救助法適用 全域に緊急安全確保

台風13号の影響による大雨で冠水した福島県いわき市内の道路を歩く人たち=9日未明

 福島県いわき市は8日、市内の複数の河川で氾濫が生じ、ほかの河川でも氾濫の危険性が高まっているとして、市内全域に警戒レベルが最も高い「緊急安全確保」を発令した。対象は約14万世帯、約32万人。県は、いわき市に災害救助法の適用を決めたと発表した。

 市消防本部によると、同市内郷内町では「床上浸水している」との通報が複数あったが、車が入れない状態のため、垂直避難を呼びかけている。地区全体が水没している可能性があるとみている。内郷白水町では「道路が冠水して動けない」との通報があり、消防が駆け付けると、4台が浸水していた。

 市によると、避難所の内郷第二中が浸水し、受け入れを停止。午後11時20分時点で、避難していた数人が体育館のステージ上に取り残された。

 東北電力によると、大雨の影響で、8日午後11時時点で、いわき市内で約6千戸が停電。福島県は災害対策本部会議を開き、内堀雅雄知事は「沿岸部の方は避難情報を確認し、命を守る行動をとってください」と呼びかけた。

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