製鉄学習、伝統は続く 一関・大原小6年生、通算25回に

炉に入れる木炭を割る子どもたち

 一関・大原小(佐藤啓校長、児童97人)の6年生24人は7日、一関市大東町内野地区の砂鉄川たたら製鉄学習館で、昔ながらの鉄作りを体験した。前身の内野小時代から続く、地元の歴史を学ぶ学習で通算25回目。子どもたちは先人たちが育んだ製鉄の伝統に思いをはせた。

 大原小卒業生が7月末に製作した、記念の「25」が刻まれた屋内外2カ所のたたら炉を使用。児童はたたら製鉄の継承に取り組むホッパの会(菊池文悦会長)の指導の下、8月に採取した砂鉄などを計70キロほど入れ、炎が燃えさかる中で作業に励んだ。

 カミングス未来君は「炉が大きく、材料を流し入れるのが怖く感じることもあったが楽しかった。自分たちが取った砂鉄が形になるのがうれしい」と笑顔。出来上がった20キロほどの鉄は、奥州市の鋳造会社で卒業記念品の文鎮に成形される予定。金野陽菜多(ひなた)さんは「この鉄を使った文鎮をずっと大切にしたい。この伝統を、下の代まで守っていきたい」とうなずいた。

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