<台風13号>連日の猛暑から一転…埼玉でも被害 風で転倒、80代男性がけが 上尾、美里などで停電も

強まる雨風の中、傘をしっかり持って歩く人たち=8日午後1時48分ごろ、埼玉県さいたま市浦和区のJR浦和駅東口

 台風13号は8日、日本の南の海上を北上した。千葉、茨城両県と伊豆諸島では局地的豪雨をもたらす線状降水帯が発生。記録的な大雨となり、各地で浸水や土砂崩れが相次いだ。台風は上陸前の9日未明までに熱帯低気圧に変わる見通しだが、気象庁は、関東甲信や東北で9日にかけ大雨になる恐れがあるとして、土砂災害や河川の氾濫などに厳重な警戒を呼びかけた。

 埼玉県災害対策課によると、埼玉県内では8日午後4時時点で、越谷市で80代男性1人が風にあおられて転倒、軽傷を負った。

 川口市内では160世帯232人に向け高齢者らの避難を促す警戒レベル3の避難情報が発令されたが、午後3時ごろに解除された。

 同市、朝霞市など15市町で82カ所の避難所が開設された。上尾市1790軒、美里町220軒などで停電が発生したが、復旧した。

 JR東日本によると、県内に関係する在来線では、八高線は高麗川~寄居駅間で一時運転を見合わせるなどしたため、列車25本、1700人に影響が出た。

■埼玉県内も強い雨風

 連日の猛暑から一転し、さいたま市浦和区のJR浦和駅前にも8日朝からひんやりとした雨風が降り注いだ。同駅周辺では、風で傘があおられないようにと、両手でしっかりと持つ人や、耐えられずに傘の骨組みがひっくり返ってしまった人もいた。

 同市桜区の男性会社員(53)は「台風の関係で仕事の納期にも影響が出た。通常よりも仕事を早く終わらせる必要がある」と話し、「日頃から頑丈な傘を使っているが、今日は極力早めに家に帰ります」と足取りを早めた。

 顧客との打ち合わせで同駅に降りたという東京都の男性会社員(59)と女性会社員(29)も「仕事が終わったら帰ろうと思う」と台風の影響を気にしていた。

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