2023年のWEC世界耐久選手権第6戦富士6時間レースは、9月8日金曜日に走行初日を迎えた。午前中にスタートしたFP1はウエット、午後のFP2はドライとなるなか、最速タイムは地元戦を迎えたトヨタGAZOO Racingが奪う形となった。
そんな金曜日の富士スピードウェイのパドックから、各種トピックスをお届けする。
■ポルシェ963に「小さなトラブル」
直撃が心配されていた台風は夜遅くに海上で熱帯低気圧に変わった。朝方は強い雨と風にさらされた富士スピードウェイだったが、午後からはドライコンディションで走行が行われるまでに天気は回復した。
ポルシェLMDhのファクトリーディレクター、ウルス・クラトレは次のように語った。
「昨日の時点での予報は悪く、その後、更新されるたびに良くなっていった。今朝、天気予報士に聞いたところでは、予報と同じで、今朝はホテルを出るときに強風が吹いていたので少し怖かったが、その後はどんどん良くなっていった」
ペンスキーのファクトリー2台と、ハーツ・チーム・JOTAとプロトン・コンペティションのカスタマー・ポルシェ963は、1日の間にいくつかの「小さな」トラブルに見舞われたものの、クラトレによれば、金曜の走行はポルシェにとって予想どおりのものとなったという。
また、スーパーGT・GT500クラスに参戦中のジュリアーノ・アレジが、パドックで目撃されている。
FP2のセッション後、アイアン・デイムスは、三浦愛、富下李央菜、バートン・ハナ、猪爪杏奈、高橋佳音、松井沙麗、早川杏樹という7人の日本の女性ドライバーをガレージに迎え入れた。
■11月にカタールでグループテストを実施
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのマネージング・ディレクターであるジョナサン・ディウグイドによれば、来年の開幕戦カタール1812kmに先立ち、今年の11月にポルシェはロサイル・インターナショナル・サーキットでのグループテストを実施するという。少なくとも5~6チームが参加する予定とのことだ。
「(最終戦バーレーンと)距離は近いし、(WECのロジスティクスを担う)DHLやミシュラン、そしてこれらすべてのチームがバーレーンからカタールまでの移動方法を考えてくれるだろう」とディウグイド。
「おそらく(プロローグと開幕戦に向けて)カタールに荷物を残すことになると思うが、チャンピオンシップのために必要なクルマやスペアなどは空輸する。コスト面でも、二酸化炭素排出量の面でも、できる限り多くのものをカタールに残すことができるよう、ロジスティクスの効率化を考えている」