【日本代表プレビュー】カタールでは勝利、敵地での戦いで日本代表は何を見せる!?/vsドイツ代表

[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

9日、国際親善試合のドイツ代表戦がフォルクスワーゲン・アレーナで行われる。

森保一監督の第二次政権となった日本にとっては、初の国外での試合に。3月、6月と国内で試合を重ねた中、6月はエルサルバドル代表、ペルー代表と連勝を収めた。

ヨーロッパ遠征を行う日本だが、その相手はドイツ。カタール・ワールドカップ(W杯)でも対戦し、勝利した相手とアウェイでの戦いとなる。近年なかなか実現しないヨーロッパ勢との貴重な試合はどういった戦いになるだろうか。

◆約10カ月ぶりの再会

カタールW杯後の初の遠征となる日本。ヨーロッパ組を中心としたメンバー構成で、これまでと大きなメンバーの差はない。初招集はセレッソ大阪のDF毎熊晟矢のみ。6月に続いて、MF伊藤敦樹(浦和レッズ)が招集されている。

一方で、カタールW杯も戦ったDF冨安健洋(アーセナル)、MF田中碧(デュッセルドルフ)が2023年初招集。ドイツを知る選手がチームに戻ってきたことは1つプラスになるだろう。

ヨーロッパのリーグはシーズンが開幕して間もない中での試合であり、コンディションやパフォーマンスはまだまだ上がりきっていないだろう。ただ、その中でもどういった戦いをドイツ相手に見せるのか。リベンジに燃える相手に、しっかりと戦えることを見せていかなければいけない。

森保一監督は「今の我々の立ち位置を図る最高の対戦にしていきたいと思っている」とコメント。W杯で勝ったことを考えるのではなく、今の力をしっかりと測る試合にしたいとした。また、「日本が世界で勝つために必要な守備と攻撃を発揮できるようにしたい」と語り、特徴である攻守の切り替えをしっかり見せたいとした。

選手個々はクラブでも結果を残している。それがチームとなった時にどんなパフォーマンスになるのか。調子の上がっていないドイツに連勝となるか。勝利を目指しつつ、実りある試合にしたいところだ。

◆屈辱の連敗はしたくない

対するドイツは、前述の通り日本にW杯で敗れ、グループステージで敗退。チームに対する批判も集まっていた。

さらに、2023年に入ってからは5試合を戦い1勝1分け3敗。来年のユーロ開催国であるために予選は戦っておらず、親善試合のみだが、全くといっていいほど結果が出ていない。さらにファンからの批判が高まっている状況だ。

とはいえ、ハンジ・フリック監督はシステムを含め、新たな戦いを模索中。選手も入れ替えており、ユーロに向けてレベルアップを図っている最中というところだろう。

「良い影響を与えようと色々試してきた。チームには良いメンバーが揃っているし、良い感触を得ている」とフリック監督は語っており、チーム状態は決して悪くはないと感じているようだ。

6月の3試合では3バックを試している状況。試合中に可変して4バックなどにしてくるが、日本としては可変システムに合わせて行き、前線の4人が上手く絡めば崩すことも可能だろう。特に3バックの脇を上手く使っていけるかがポイントとなりそうだ。

W杯での屈辱を知っている選手たちも多く残っている。リベンジの気持ちも強いだけに、日本にとっては簡単な試合になることはなさそうだ。

◆予想スタメン[4-2-3-1]

GK:中村航輔

DF:菅原由勢、板倉滉、冨安健洋、伊藤洋輝

MF:遠藤航、守田英正

MF:伊東純也、鎌田大地、三笘薫

FW:上田綺世

監督:森保一

森保監督は前日会見で[4-2-3-1]とシステムを明言。ドイツの可変システムには可変で対応することもあるとした。

GKだが非常に難しい状況。正守護神候補だったGKシュミット・ダニエル(シント=トロイデン)はこの夏の移籍を目論むもフランス行きが失敗に終わることに。トルコへの移籍が噂されているが、クラブは退団を見越してチームから外しており、最近はプレーしていない。残りの2人から予想をすると、GK中村航輔(ポルティモネンセ)と予想する。

開幕から2試合はベンチに座ったが、直近のリーグ戦2試合では起用されている。共に1失点はしているが、チームの崩壊していた守備が改善されたというプラス材料がある。ペルー戦では良いパフォーマンスを見せていただけに、連続先発でポジションを掴みたい。

最終ラインだが、右からDF菅原由勢(AZ)、DF板倉滉(ボルシアMG)、DF冨安健洋(アーセナル)、DF伊藤洋輝(シュツットガルト)と予想する。菅原、板倉はこれまでも主軸として支えているため、変えることはないだろう。冨安は復帰戦となるが、クラブでは左サイドバックとして試合に出ており、高いパフォーマンスとインテンシティを見せているだけに、ここで復帰を期待する。左サイドバックの伊藤は守備力を見せてほしいところ。ドイツのことも良く知っているだけに、機を見た攻撃参加も期待したい。

ボランチは、キャプテンのMF遠藤航(リバプール)とMF守田英正(スポルティングCP)と予想する。遠藤はドイツでのプレーを終えてリバプールにステップアップ。高いレベルのサッカーをこれからよりやっていく上で、慣れているドイツを相手にどんなプレーを見せるか。守田とのコンビネーションに問題はないため、2人でしっかりと防いでいきたい。

2列目は右からMF伊東純也(スタッド・ランス)、MF鎌田大地(ラツィオ)、MF三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン)と予想する。伊東と三笘は今季も高いパフォーマンスを見せており、両翼の破壊力は日本の武器。ドイツ相手にも火を吹くことが期待される。そしてトップ下に入ると予想するのは鎌田。新天地でも特徴を出したゴールを決めて、良い流れで合流した。昨シーズンまで対戦した選手たちも多いだけに警戒もされるだろうが、特徴を見せたい。

そして1トップはFW上田綺世(フェイエノールト)と予想する。新天地ではまだポジションを奪えていないが、合流直前の試合で初ゴールを記録。非常に上田らしいボールの引き出し方とシュートを決めた。調子は上がっている様子。W杯では悔しい思いをしていただけに、強豪相手に成長したところを見せたいところだ。

ドイツ代表戦は9日の27時45分にキックオフ。NHK総合で生放送される。

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