京都・泉涌寺の国重文「大門」でも液体の染み見つかる 職員「怒りしかない」

【資料写真】泉涌寺の大門

 京都市東山区泉涌寺山内町の真言宗泉涌寺派総本山・泉涌寺にある重要文化財の大門で9日、柱の一部と台座に液体がかけられたような染みが見つかった。京都府警東山署が染みの成分を分析している。

 同署や同寺によると、同日午前9時ごろ、寺の職員が染みを見つけ、別の職員に知らせた。通報を受けて駆けつけた東山署員が縦20センチ、横70センチほどの染みを確認した。

 大門は泉涌寺の正門で、16世紀後半から17世紀前半の作とされる。元は御所の内裏の門として造られ、江戸時代前期の寛永年間に同寺に移築されたと伝わる。1966年に国の重文指定を受けた。

 同寺の山内では今月に入り、塔頭の来迎院や善能寺でも同様の被害が判明している。泉涌寺職員は「最初は悲しみと怒りが同時にわいてきたが、今は怒りしかない。もし、液体をかけた人がいるなら、名乗り出て罪を償ってほしい」と話した。

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