宿泊ベッド数が住民超過 伊ベネチア、対策訴え

観光客らで混雑するイタリア・ベネチア=2021年9月(ロイター=共同)

 【ベネチア共同】観光客の集中が問題になっているイタリア北部ベネチアで、住環境の改善に取り組む市民団体は9日、市中心部での観光客用の宿泊ベッド数が住民数を超えたと発表した。団体は「このままでは街がテーマパークになってしまう」として、国や市に対策を訴えた。

 団体の9日までの集計では、ベッド数は4万9693となり、住民数を400ほど上回った。4月からの5カ月間でベッド数は約1100増えたが、住民は約60人減少したという。

 世界遺産のベネチアは、観光客が押し寄せて住民生活が害される「オーバーツーリズム」が深刻化。市は今月、来年から日帰り客を対象に入場料を徴収する計画を発表した。

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