濱口監督作品に「銀獅子賞」 4映画賞、黒沢監督以来の快挙

第80回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)を射止め、笑顔を見せる濱口竜介監督(右)と主演の大美賀均さん=9日、イタリア・ベネチア(ロイター=共同)

 【ベネチア共同】イタリアで開催されていた世界三大映画祭の一つ、第80回ベネチア国際映画祭の授賞式が9日夜に開かれ、濱口竜介監督の「悪は存在しない」が最高賞に次ぐ銀獅子賞(審査員大賞)に選ばれた。

 濱口監督はカンヌとベルリンの両国際映画祭に加え、米アカデミー賞でも賞を射止めている。世界三大映画祭のコンペティション部門とアカデミー賞の全てで賞を獲得するのは、日本人では黒沢明監督以来の快挙。

 「悪は―」は、音楽家の石橋英子さんからライブパフォーマンス用の映像制作の依頼を受け、濱口監督が脚本を書き下ろした作品。濱口監督は受賞のスピーチで「この素晴らしい賞をいただけるとは、企画が始まった時には全く考えていなかった。発案者である石橋英子さんの音楽が、私を今まで体験したことがない仕事に導いてくれた」と話した。

 濱口監督は「偶然と想像」でベルリン国際映画祭銀熊賞(21年、審査員大賞)、「ドライブ・マイ・カー」でカンヌ国際映画祭脚本賞(同年)とアカデミー賞国際長編映画賞(22年)を受賞した。

第80回ベネチア国際映画祭で「悪は存在しない」が銀獅子賞に輝いた濱口竜介監督=9日(ゲッティ=共同)
第80回ベネチア国際映画祭で「悪は存在しない」が銀獅子賞に輝いた濱口竜介監督=9日(ロイター=共同)
第80回ベネチア国際映画祭に登場した濱口竜介監督=4日(AP=共同)
濱口竜介監督

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