豪快バチさばき 健在 登川青年会 10年ぶり再結成

 今年2月、10年ぶりに再結成した登川青年会が沖縄全島エイサーの舞台に帰ってきた。トップバッターで登場し、バチを大きく回す豪快な演舞を披露すると、会場から大きな拍手と指笛が沸いた。再結成時から青年会を引っ張ってきた泊将也会長(29)の顔には大粒の汗が光った。「やりきった。地域の協力のおかげだ」

 全盛期は会員が100人以上いたが、会員減少で10年間活動が休止していた。青年会OBの屋宜宣芳自治会長は活動再開への思いを募らせ、姉妹団体「愛知琉球エイサー太鼓連」の仲宗根昇さんと一緒に、泊さんらに再結成を持ちかけた。

 高校時代、同青年会の会員だった泊さんは「先輩たちはたくさんの愛情を注いでくれた。地元のエイサーの良さを、今度は自分が後輩につなぎたいと思った」と振り返る。再結成時の会員は7人だったが、子ども会出身者や他地域からも集まり、30人まで増えた。

 この日、大太鼓で演舞をリードした澤岻来輝さん(14)=美里中3年=は、子ども会でエイサーをしていた。「復活したと聞いて、今度は自分たちが青年会を盛り上げたいと思った。地元のエイサーは最高だ」と満面の笑みを浮かべる。地域の伝統と思いは、しっかりと受け継がれている。 (石井恵理菜)

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