大分市の杉浦さん、アジアネイルフェスのメンズケア部門で優勝【大分県】

ネイルケアをする杉浦美幸さん。爪にトラブルを抱えて来店する女性が多い。男性は紹介制=大分市下郡中央のネイルサロン&スクール「ショコラ」
メンズネイルケア部門優勝時の写真。爪の長さや形、表面を整え、1本に亀やヒトデ、貝殻などを描いた

 【大分】大分市下郡中央のネイルサロン&スクール「ショコラ」代表の杉浦美幸さん(48)が、国内最大級のネイルコンテストのメンズネイルケア部門で優勝した。ネイリスト歴20年。「大会は通過点。これからも努力を重ねたい」と、飽くなき向上心で高みを目指す。

 出場したのはNPO法人日本ネイリスト協会(東京都)が主催するアジアネイルフェスティバル・イン大阪(7月・大阪市)。メンズ部門は男性モデルの両手の爪の長さや形、表面を整え、つやを出したりアートを施すなどして清潔感ある美しさを競う。高い技術力が評価された。

 県内の大学を卒業し、大手企業の大分支店に勤務。「性別や年齢に関係なく評価される職を見つけたい」と思い始めた26歳の時、友人の付き添いで市内の美容専門学校の体験入学に参加。爪の美容と健康を保ち、デザインや装飾を施すネイルの世界に魅了された。

 当時、県内に専門サロンは数えるほど。不器用で自分でネイルをしたことも、されたこともなかったが「腕を磨けば一生の仕事にできると直感した」。周囲の反対もあり、1年間悩んだ末に退職。市内のスクールで学び、28歳で起業した。

 県内に10人しかいない同協会本部認定講師。「プロになるのは簡単。一流になれるのは一握り」という協会理事の言葉を胸に、休日も道具を握った。

 2013年から国内外の大会に出場。20年に東京であった大きな大会のメンズネイルケア部門で優勝したが手応えはいまひとつ。「もっとできるはず。もう一度チャンピオンを目指そう」と誓った。

 営業を終えた後、空腹や眠気と闘いながら練習する毎日だったが、夫(48)、全国のネイリスト仲間の存在にも背中を押された。

 今は達成感でいっぱいで「お客さんや生徒の想像を超える技術を提供したい。喜んでもらえるのが一番のやりがい」。今日も練習に励んでいる。

© 有限会社大分合同新聞社