銀獅子賞受賞「本当にうれしい」 ベネチア映画祭、若き名匠に拍手

第80回ベネチア国際映画祭の授賞式を前にレッドカーペットで手を振る濱口竜介監督(右)と主演の大美賀均さん=9日、イタリア・ベネチア(ロイター=共同)

 会場を包み込む温かい拍手が、若き名匠への敬意を示していた。第80回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)を獲得した濱口竜介監督。受賞スピーチで「本当にうれしく思っています」とトロフィーと共に喜んだ。

 審査員長のデイミアン・チャゼル監督に受賞作「悪は存在しない」のタイトルが読み上げられると、濱口監督は緊張した面持ちで立ち上がり、隣で笑顔を見せる主演の大美賀均さんと一緒に壇上へ。チャゼル監督から受け取った銀獅子賞を手に破顔した。

 マイクの前に立ち「グラッチェ、サンキューベリーマッチ」とあいさつ。「この旅の終着点ではないと思うが、一緒にここまで来られてうれしく思う」と述べ、映画製作のきっかけになった音楽家の石橋英子さんをはじめスタッフやキャストに感謝した。大美賀さんも「石橋英子さん、取りました。ありがとうございました」と話した。

 その後、記者の取材に濱口監督は「(壇上から)チームのメンバーがいる辺りが光って見えた。一緒にやってこられて本当に良かったと思い、胸がいっぱいになった」と語った。

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