泣く女性、膝を抱えて「買いすぎた」…女子高生らが日陰で休ませ保護、無事女性は帰宅 勇気ある行動に称賛

竹内範敏署長(右端)から感謝状を受け取った(左から)小林一花さん、小林大飛さん、今井美桜さん、藤沢あゆみさん=4日午後、飯能署

 7月、白昼にしゃがみ込んでいた60代女性に声をかけるなどし保護したとして、埼玉県警飯能署は4日、私立大川学園高校(飯能市)の2年生4人と児童福祉施設職員藤沢あゆみさん(39)の計5人に感謝状を贈った。高校生4人は福祉科で学んでおり、「高齢者への声のかけ方などの勉強が役に立った」としている。

 感謝状を受けた同校の4人は小林一花さん(17)と小林大飛さん(16)、今井美桜さん(16)、板橋葵さん(16)。

 7月14日午後0時半ごろ、飯能市仲町の自動販売機の脇で、女性が膝を抱えるようにして泣いているのを、昼食の買い出しから戻る途中の小林大さんが見つけ、「どうしたの」などと声をかけた。女性はジュースなどが入ったスーパーの袋を複数持ち、「買いすぎてしまった」などと答えた。

 通りかかった小林一さんら3人と、近くで業務中だった藤沢さんが合流。女性を日陰に誘導し、西武池袋線飯能駅北口の交番に届け出た。その後、女性は無事に自宅に戻った。藤沢さんは「さまざまな人に手を差し伸べられる、優しい社会であってほしい」と話した。

 同署の竹内範敏署長は「声をかけることは非常に勇気がいることで、なかなかできない」と話した。

 また、この日は特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、コンビニエンスストア「セブンイレブン飯能原市場店」(飯能市)のアルバイト長岡陽子さん(47)と、日高下高萩郵便局(日高市)の局員鈴木直美さん(51)、同郵便局のパート渡部春香さん(33)にも同署から感謝状が贈られた。

感謝状を受け取った(左から)鈴木直美さん、渡部春香さん、長岡陽子さん

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