富士山夏山シーズン静岡県側も終了 冬季閉鎖へ コロナ制限解け 課題浮き彫りに

10日、富士山の夏山シーズンが終わり、登山道が閉鎖されました。2023年はコロナ禍の制限が解け、多くの登山客でにぎわう一方、課題が浮き彫りになりました。

10日午後5時、富士山の静岡県側の登山道3ルートが閉鎖されました(山梨県側の吉田ルートも10日で閉山)。富士宮ルートは6合目から、須走ルートは5合目から、御殿場ルートは新5合目からそれぞれ山頂までの登山道が来年の夏山シーズンまで全面通行止めになります。

環境省によりますと、静岡県側の開山日の7月10日から17日までの8日間の登山者数は、富士宮口6,451人(対前年+2,827人)、須走口3,026人(+2,406人)、御殿場口1,958人(+938人)となっていて、いずれも前年の2022年を上回っています。静岡県内の3つの登山ルートの合計1万1,435人は、過去10年間で最多で、コロナ禍の制限が解けたことで多くの登山客でにぎわったシーズンといえそうです。

登山客の増加に伴って弾丸登山の問題が顕在化し、山梨県側は登山者が滞留し、転倒や落石などの危険があると判断した場合に規制を実施することを決めました。2023年は規制の実施にまでは至りませんでした。

一方で、静岡県の川勝平太知事は2023年8月時点では「規制の予定はない」とし、2023年の状況を分析した上で、今後、山梨県などとも検討していく必要があると話しました。

2024年以降、山梨県側は条例化も検討しているということで、2023年はにぎわいが戻った一方で翌年以降に向けての課題が浮き彫りになりました。

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