V長崎が逆転勝ち 5位死守 群馬に2―1

【V長崎―群馬】後半36分、V長崎のジョップ(左奥)が逆転ゴールを決めて仲間と喜ぶ=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 明治安田J2第34節第1日(9日・トランスコスモススタジアム長崎ほか=9試合)V・ファーレン長崎は群馬に2-1で逆転勝ちした。通算15勝9分け10敗、勝ち点54で5位をキープした。
 V長崎は前半、圧倒的に攻めながらも得点を奪えず、後半3分にCKから先制点を許した。しかし、19分にマテウスの右サイドからのクロスが流れたところをフアンマが左足で蹴り込んで同点に。36分、今津の左クロスをジョップが左足で合わせて逆転した。
 首位町田は栃木に0-1で敗れた。2位磐田は大宮に3-2で競り勝ち、3位清水は山形を3-0、4位東京Vは山口を2-0で下した。岡山が仙台に1-0で勝ち、6位に浮上した。
 第35節は15~17日、各地で11試合を実施。V長崎は16日午後2時から、秋田市のソユースタジアムで秋田と対戦する。

◎20歳ジョップ 値千金弾
 1-1の後半36分。左サイドを駆け上がった今津がゴールラインぎりぎりで上げたクロスに、ゴール前のジョップは「体が勝手に反応した」。DFに体を預けながら、オーバーヘッド気味に左足を振り抜く。逆転ゴールを確認すると、サポーターの元へと走り、両手を広げる。加入1年目、20歳のFWは大歓声を一身に浴びながら、駆け寄った仲間から手荒い祝福を受けた。
 名古屋産大に通っていた昨夏からV長崎の練習に参加した。195センチの長身に加え、足元の技術も申し分ない。伸びしろ十分の大学生をカリーレ監督が「ほしい」と熱望。覚悟を決めて大学を中退し、今季からプロになった。加入当初は練習後、指揮官がマンツーマン指導。大きな期待を背負って第25節のホーム山口戦でプロデビューを飾った。次のアウェー岡山戦は先発出場して1得点1アシスト。結果を残して信頼を得た。
 その後、出場時間は限られたが「どんな試合でもチャンスは必ずくる。それを決められるストライカーになりたい」と虎視眈々(たんたん)とゴールを狙っていた。そして決めて見せたこの日のスーパーゴール。スタジアムの熱気は最高潮に達し、勝利の立役者は「やっとホームで点が奪えた。最高です」とあどけなく笑った。
 昇格争いが激化する終盤戦。チームを勢いづける値千金弾になった。「今季の目標は7点。あと4点決められるように頑張ります」。背番号32の存在感が増した。

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