水産加工業者、決意の奮闘 東日本大震災から12年6カ月

福島県での商談会に向け、商品の売り込み方を打ち合わせる小笠原理一さん(左)と山本真梨さん=9日、宮古市築地

 東日本大震災から11日で12年6カ月。本県沿岸被災地で復興途上の水産加工業者が、またも岐路に立たされている。記録的な不漁に東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が重なり、海外展開に暗雲が漂っているためだ。老舗業者は苦境を打破するべく国内販路の拡大に目を向け、商品の開発や磨き上げに注力する。産業、そして地域を守るため、奮闘は続いている。

 「『炙(あぶ)り焼きいわし』は家族向けに容量を多くしてみたら」「塩うにや『たら味噌(みそ)』は、食べ方を具体的に紹介してアピールしよう」

 宮古市築地の小が理(おがり)商店(小笠原謙逸社長)で9日、専務の小笠原理一さん(40)が、東京で教育関連企業を営む山本真梨さん(41)=同市田老出身=から商品PRの助言を受けた。

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