長崎市の晧台寺 本堂の再建祝い落慶式 総ひのき造り、優れた耐震性 稚児行列も華やかに

晧台寺本堂の再建工事完了を祝った落慶式=長崎市寺町

 長崎県長崎市寺町の曹洞宗晧台(こうたい)寺で9日、開創400年記念事業として取り組んだ本堂の再建工事完了を祝う落慶式があり、檀(だん)信徒ら約600人が参列した。
 江戸初期の1608年に創建された晧台寺は約360年前に現在地に移り、本堂、僧堂、衆寮(しゅりょう)(幼稚園の前身)を建立。増改築を繰り返し、本堂の屋根が原爆の爆風で浮き上がり傾くなど、歴史を刻んできた。
 老朽化の進展に伴い、2016年に再建構想を発表。21年に解体工事に着手し、今年1月までに本堂、僧堂、幼稚園を建て替え、新たに納骨堂を整備した。
 総ひのき造りで木造平屋の本堂は開放的で荘厳な雰囲気ながら、耐久性、耐震性にも優れた構造。内部の彫刻欄間(らんま)は旧本堂のものを補修、再利用し、面影を残している。
 式では完成を祝うお経が真新しい本堂内に響き、齋藤芳寛住職が「地域に開かれた安寧の道場を志し、海外の参禅者にも対応した僧堂として内容を一層充実させる」と謝辞。曹洞宗大本山永平寺(福井県)の南澤道人貫首らを招いた開山式や、園児と卒園児、その保護者ら総勢約150人による稚児行列もあった。

着飾った子どもたちが商店街などを練り歩いた稚児行列=長崎市古川町

 晧台寺護持会の川添弘之会長(85)は「日々の暮らしの指針を定めてくれる場所。祝いの日を無事に迎え、安堵(あんど)している。大いに活用し、子どもたちの健やかな成長を期待している」と話した。

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