KDDI、人流データを活用してレベル4飛行による輸送サービス実装を目指す。内閣府スーパーシティ調査事業に採択

ドローン飛行に関する現行制度では、レベル4飛行は低人口密度環境での飛行のみが認められており、都市部ではレベル4飛行が可能なエリアは極めて限定的だ。

本取り組みでは、スマートフォンの位置情報を基にした人流データを活用することで、人口密度の低いルートを選定してドローンのレベル4飛行が可能となるような制度改革の提案、および輸送サービス実装に向けたビジネスモデルなどを検討する。さらに、これらを基に将来的にサービス化を目指すとしている。

KDDIとKDDIスマートドローンは2022年度、内閣府から受託した「先端的サービスの開発・構築等に関する調査事業」の一環として、つくば市で病院の屋上から検査機関までドローンでPCR検体を模した物資の輸送実証を行い、品質面や輸送効率などを検証した。

https://www.drone.jp/news/2022082611103057032.html

また、ドローンの「空の道」をXRコンテンツで示し、ドローンを視覚的に認識できる仕組みを構築することで地域住民の認知獲得および受容性向上に取り組んだ。

https://www.drone.jp/news/2023022718151263064.html

2023年度は、人流データの活用による安全な飛行ルートの選定や地域住民へのプッシュ通知など、地上リスクの低減策を検証し、将来的に安心・安全なドローン輸送サービスの実現を目指すとしている。

概要

「都市部におけるドローン物流の早期実装」に向けた制度改革の提案

2022年12月5日に施行された改正航空法によりドローンのレベル4飛行が解禁された。しかし、ドローン飛行に関する現行制度では、「2022年12月5日から施行の新制度開始当初に想定されるカテゴリーⅢ飛行は、低人口密度環境での目視内/目視外飛行に該当とする。」とされており、人口密集環境での目視外飛行については認められていない。

KDDIが保有するスマートフォンのGPS情報からさらに細分化された時間軸での人流データを活用することで、飛行ルートにおける地上リスクの定量的な評価を行い、現行制度上の人口密集環境においても低人口密度環境と判断できるエリアでレベル4飛行を可能とするための制度改革を提案する。

通信キャリアの位置情報などを利用した都市部におけるルート選定方法のイメージ

地域住民へのドローン飛行時のプッシュ通知によるリスク低減

ドローンが自身の生活圏内の上空を飛行する上で、万一の落下リスクなどを不安に感じる住民の方の存在も想定される。スマートフォンのアプリを通じたプッシュ型通知などの仕組みを構築し、人流データを基に、ドローンが飛行する経路および運航情報を即時に第三者へ通知することで、ドローンの社会実装に向けた地域住民の認知獲得および理解浸透に取り組むとしている。

各者の役割

▶︎KDDI

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