「事件は防げたと思う」また園児の置き去り死 防ぐための保育園の対策は 出欠確認の制度化は「難しい」

2歳の孫を車の中に置き去りにして死亡させた疑いで、祖母が逮捕された岡山の事件。名古屋市内の保育園で園児が登園・退園する時のチェック体制を取材しました。

名古屋市昭和区の昭和保育園。保護者からの連絡がなく、園児が登園しなかった場合はどう対応しているのでしょうか?

(昭和保育園 竹内公子園長)
「登園してこないと、必ず自宅に電話を入れます。お母さんの携帯につながらなければお父さんに。つながらなければ、おばあちゃん、おじいちゃんにかけます」。

Q今回は保育園がチェックしていたら防げた?
(昭和保育園 竹内公子園長)
「そう思います。ママに一言電話をかけてくれていたら、『おばあちゃんが乗せて行ったわよ』とか、『まだ行ってないですか』とか問い合わせができたかもしれない。お休みする場合は、保育園に知らせていただいて」

バスでも15分で危険なレベルに…

(大石邦彦アンカーマン)
「かわいらしいバス、車内にはかわいらしい座席が続いてますね。先生、今回の岡山の事案は自家用車での置き去りでした。バスでの置き去りも後を絶ちません。やっぱり車内でも暑くなりますか?」

(昭和保育園 北村千明保育士)
「そうですね。ここはカーポートがあるんですけど、かなり暑くなりますね」

JAFが行った、気温35度の炎天下に駐車した、車の中の温度の検証テストの結果です。暑さ指数は、窓を閉め切った状態で、エンジン停止後わずか15分で危険なレベルに達します。

(大石邦彦アンカーマン)
「子どもが置き去りにされれば、命に関わる。注意の方法は?」
(昭和保育園 北村千明保育士)
「そうですね。チェック表もつくって、何度もチェックするようにしています」

この保育園では、送迎バスに子どもたちが乗り込む時と降りる時に、担当の保育士がチェックをつけることを徹底しています。

さらに登園した時や退園する時に、出入口近くにあるパソコン上に日時が記録され、先生たちは二重に出欠をチェックしています。

(昭和保育園 北村千明保育士)
「ここにみんな並んで、こうやって(タッチする)」

(大石邦彦アンカーマン)
「ああ『○○くん、さようなら』と」

(昭和保育園 北村千明保育士)
「朝だと『○○くんおはようございます』と出ます」

それだけではありません。このタブレットは連絡帳です。

4月からタブレット型の連絡帳を導入

(昭和保育園 北村千明保育士)
「お休みする場合は、保護者からタブレットを使って教えていただきます」

(大石アンカーマン)
「これはきょう9月11日月曜日に、保護者の方から『きのうの朝から38度以上の発熱が続いておりますので、きょうはお休みでお願いします』と」

ことし4月から、タブレット型の連絡帳を導入。保護者は毎日、子どもの体温や連絡事項などを記入して送信。先生たちは毎朝チェックします。

最終的には、全員の出欠を多くの保育士で再度確認するのがルーティーンです。

また、各部屋にはカメラが設置されていて、保護者も園の様子を確認することができます。5重、6重のチェック体制なのです。

出欠確認の「制度化」は難しい

(昭和保育園 竹内公子園長)
「命を預かる大切なことだと、当たり前のようにやっています」

(大石邦彦アンカーマン)
「保育園や幼稚園は安否確認、出欠確認を必ずする…これは制度化した方がいいぐらいですか?」

(昭和保育園 竹内公子園長)
「そこまではどうなんでしょう。保育園に課せられると、ものすごく(負担が)増えると思う。うちは比較的保育士さんに余裕があるのでできるんだけれど、どうだろう、いっぱいいっぱいだったら難しいかな」

どこまで保育園側に対応を求めるべきのか、しっかり議論していくべき課題です。

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