2歳の娘発熱のため子連れで議会の抽選会に臨むも許可されず…質問の権利失う 議長「協議する時間なかった」

愛知県豊橋市で行われた市議会の一般質問。そこでは質問の準備をしていたにもかかわらずできなかった女性議員がいます。一体なぜなのか。

9月4日から6日にかけて豊橋市議会で行われた一般質問。25人の市議が市の施策や方針について説明を求める中、質問をせずに議論の行方を見守っていた女性市議の姿が。

(諸井菜々子市議)
「一般質問はできないですけど、他の議員の質問を聞いて社会で起きていることの気づきがあった」

諸井菜々子市議(37)。

就学援助の拡充や2人目以降の子どもを育てる世帯の支援などを訴え、自らも2人の子どもを育てながら、ことし4月の選挙で初当選を果たした新人議員です。

今回の9月議会では、子どもが入院した時に付きそう親の負担軽減について質問しようと準備を重ね、8月30日に質問の順番を決める抽選会に参加しましたが…

(諸井菜々子市議)
「子どもを伴って抽選会に参加できないか議長に相談した」

抽選会前日の夜遅くに2歳の娘が発熱。朝になっても熱が下がらず、遠方に住んでいる両親を頼ることも保育園に預けることもできず、夫の仕事も休みの都合がつかなかったため、諸井市議は娘を連れて登庁し、抽選会が始まる15分前に子連れで参加したいと議長らに相談しましたが、認められませんでした。

(諸井菜々子市議)
「子どもをどこか(別室に1人で)置いて参加するのは最悪いいよと言われたが、参加できないと思った」

議長は「相談が直前で協議する時間がなかった」

2歳の娘を30分ほど1人にしておくこともできず、結局、諸井市議は質問の権利を失うことに。抽選への参加を認めなかったことについて、近藤喜典議長は会見で「相談が直前で協議する時間がなかった」などと釈明しました。

(豊橋市議会・近藤喜典議長)
「インフルエンザやコロナなどが陰性と判断できない状態では、抽選会に同席させることは不可能であると判断した」

議会の対応に市民は…

(豊橋市民)
「仕事も仕事だし子どもも子どもだし、気の毒だと思う」
「周りの方が理解していけばいいと思う」

9月4日の、一般質問初日。諸井市議は朝から子ども2人を幼稚園と保育園に送り届け、議会に臨みました。するとしばらくして、議会事務局の職員が諸井市議に紙を渡し小声で話し始め、諸井市議は一時議会を退席しました。

(諸井菜々子市議)
「保育園から(娘が)熱が出たから迎えに来てほしいと連絡がきた」

この日は一般質問に備え、事前に半休を取っていた夫が娘の迎えに対応したといいます。子育てと議員活動を両立させたいと考える諸井市議。議会に対して思うことは…

(諸井菜々子市議)
「私も至らなかった所はあるが、ある程度臨機応変さがあっても良いと思う」

豊橋市議会の近藤議長は「今回のケースも参考に今後環境整備に努め、子育て世代が参加しやすい議会運営を目指したい」などと話しています。

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